Writingsコラム

夏はミントですっきり!

汗拭きシートやボディスプレーなど、夏の涼を感じさせる香りの代表といえばミントです。すっきりした香りやスッとする味や肌への感覚は、蒸し暑さを忘れさせてくれます。ミントにはどのような効用があるのでしょうか。

ミントが放つ爽やかな香りの成分はメントールです。このメントール成分を鼻腔で感じ取ると、実際の体温が変わらなくとも、温度は下がったと感じるという実験結果が出ています。肌や舌でも同じで、メントールの成分は人に「冷たさ」を感じさせてくれる効果があるのです。

古代ローマやエジプトなど地中海沿岸の地域では、紀元前3,000〜4,000年頃から料理や入浴に使われていました。頭痛や呼吸不全の緩和など、薬草としても活躍しており、ヨーロッパやアジアに広まっていきます。日本のミントは薄荷(はっか)と呼ばれ、解熱、発汗、健胃作用をもたらす漢方薬の原料として親しまれてきました。

ミントはシソ科の総称で40種類以上あり、2つの系統に分かれます。ペパーミント系とスペアミント系で、メントール成分が多いのがペパーミント系。スペアミント系はハーブティーによく使われるアップルミントや、ビールに入れて楽しむ南米原産のモヒートミントなどで、食べるために使われるのはこちらの系統のミントが多くなっています。

かといって、ペパーミント系が食用に不適なわけではありません。メントールの強い清涼感が求められるアイスクリームやガムなどに使われています。日本の薄荷はメントールの含有量が多く、清涼感が強いのが特徴です。精油はハッカ油として昔から親しまれており、防虫、消臭、掃除などに使われてきました。

アロマテラピーで使うペパーミントやスペアミントの精油と違い、ハッカ油は安価で、ドラッグストアなどで500円前後で購入することができます。無水エタノール10mlにハッカ油3〜4滴入れ、水90mlを加えたものをスプレーすると虫除けになります。精油であるハッカ油を直接肌につけると、ヒリヒリしたり、炎症を起こしたりしますから、必ず薄めて使いましょう。

ミントには消化促進効果もあり、タイやベトナム料理にスペアミントが多く用いられています。ヨーロッパの中でもミントをよく食べるイギリスでは、羊肉の消臭のためミントソースをかけるのが定番料理です。北アフリカ地域では、暑さで興奮状態にある交感神経を鎮め、爽快感を得るためにミントティーが飲まれています。

過酷とも言える暑さで気力が落ちたり、胃腸が弱ったりする夏。爽やかなミントを使って何とか乗り切っていきましょう。

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