Writingsコラム

栄養満点で低カロリー!夏は穴子

2024年夏の土用の丑の日は7月24日と8月5日になります。二の丑があるため「うなぎが2回食べられる」と前向きに考えるか、「高いから」と二の足を踏むか、どちら派でしょうか。うなぎの高騰は続いているため「いっそ似ている穴子でも」と思った方、その発想は夏バテ対策として正解です。その理由をご説明しましょう。

まず、6~8月は穴子の旬にあたり、「梅雨穴子」「夏穴子」と呼ばれ、昔から食通に好まれています。穴子には旬が2回あり、夏の穴子は脂が少なくさっぱりした味わいで、食欲が落ちがちな夏にぴったり。逆に10〜12月の冬穴子は、脂がたっぷり乗っていてプリプリ食感という特徴があります。

そして穴子のカロリーは100gあたり146kcal。うなぎは228kcalですから、比較するとだいぶ低カロリーです。タンパク質は17gで、うなぎの23gに比べて少ないのですが、カロリー比にすると穴子の方が高タンパクです。さらにうなぎよりもコレステロールも少なく、コレステロール値を抑制するビタミンB6も豊富。さらに夏に不足しがちなカリウム、マグネシウム、鉄分、ビタミンA、ビタミンB群も豊富に含まれています。特に夏の穴子は脂質も少ないため、胃腸の調子が衰えがちな夏の滋養食としておすすめです。

明石の焼き穴子や広島の穴子飯など、ご当地メニューも多い穴子ですが、国内で漁獲高1位の県は島根県。続いて長崎県となり、この2県でシェア40%弱を占めます。世界的には、圧倒的首位を誇るのが韓国。日本は4位となっています。韓国では刺身や炭火焼きで食べられているようです。

日本でのアナゴの食べ方は、関東が煮付けや天ぷら、関西は焼き穴子が主流。関東や東北の穴子は大ぶりで脂が乗っているため、煮るとふっくら仕上がりますが、瀬戸内や九州で取れる穴子は小ぶりで煮ると硬くなるため、焼いて食べた方がおいしいためです。寿司へのアプローチも同様で、江戸前の握り寿司は煮穴子、大阪は焼き穴子を箱寿司にしたものが「穴子寿司」です。

昔から愛されている穴子ですが、残念なことに漁獲量が年々減少し続けています。うなぎ同じように、穴子も沖ノ島南方にある九州・パラオ海域で稚魚が生まれ、日本沿岸にたどり着くというルートを辿ります。うなぎの漁獲量の減少と傾向が似ており、海流の変化などで日本に来る個体が少なくなったと言われています。そこで養殖に取り組みつつあるようですが、近大マグロで有名な近畿大学水産研究所も助力しているとか。まだ研究段階だということですが、穴子を末長く楽しむためにも養殖プロジェクトの成功を祈りましょう。

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