Writingsコラム
酸っぱいだけではない、お酢の効能

猛暑の時期はもちろん、まだまださっぱりしたものを食べたい秋の入口。昔から、お酢を使った料理は健康に良いと言われています。痩せる効果を期待して、お酢を飲むことを習慣にしている人もいます。具体的にはどんな効果があるのでしょう。
お酢の代表的な効能としては、4つほど挙げられます。食後血糖値の急激な上昇を抑える、内臓脂肪の減少、血圧を下げる、身体的疲労感の減少です。これらは実験による検証も行われており、お酢に健康効果があることは間違いありません。ですが、食品なので、お酢だけを大量に摂取すれば良いというわけではなく、健康を維持していくには、バランスのいい献立、減塩、適度な運動も必要です。
頼りきりになるわけにはいきませんが、お酢は健康的なダイエットのサポート役として、かなりいい働きをしてくれます。お酢を毎日15ml飲んだ人は、3ヶ月後に脂肪の合成と増加を抑えられたという研究データがあります。酸っぱい味のもとである酢酸の他に、アミノ酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸などはお腹の調子を整えてくれます。酢酸は腸の動きも活発にしてくれます。さらに酸っぱい味は減塩の物足りなさを補ってくれるため、良好な食生活へ導いてくれる名脇役なのです。
お酢には醸造酢と合成酢があります。合成酢は酢酸を水で薄め、砂糖やうま味調味料で味を整えたもので、生産量は少なく、家庭用として使われることはありません。私たちがスーパーなどで見かけるのはほとんどが醸造酢になりますが、その中でも、醸造酢、穀物酢、果実酢の3種に分かれます。醸造酢はアルコールを原料とするものです。穀物酢は1リットルあたり40gの穀物を原料にしたもので、米酢、黒米酢などが代表的です。同じく果汁300g以上を使用したものが果実酢で、リンゴ酢やブドウ酢などがよく出回っています。
飲むお酢として最も親しまれているのは果実酢ですが、穀物酢の黒米酢なども健康飲料として流行っています。黒米酢はまろやかですが、慣れていないと飲みにくいと感じる人もいます。ジュースなどで割って飲む方法もありますが、砂糖のとりすぎは体に良くありません。果汁をたっぷり使った果実酢ならば、砂糖不使用でもすっきりとした甘味と香りが楽しめます。ただ、砂糖を加えていない果実酢は値段も高くなりますから、躊躇する人も多いかと思います。
もっと手軽にお酢を取り入れるには、毎日の食事にお酢を使った料理を足していくのがおすすめです。ピクルスや酢の物を食べるのはもちろん、肉を煮るときにお酢を使えば柔らかくなります。焼きそばやラーメンなど、油っぽい料理にお酢をプラスする、手軽に買えるパック入りもずく酢をメニューに加えるなど、積極的にお酢を取り入れてみてください。