Writingsコラム

栄養抜群!卵に関するあれこれ

ちょっとした病気の定番食である卵がゆ。卵が入ったスープを飲むとホッとしたり、茶碗蒸しのフルフルした食感に癒されたり。おいしいから卵が好きだという人が多いものですが、栄養があるから好きだという人もいます。身近な食材である卵をもっとよく知っていきましょう。

卵の規格は重さでSS(40〜46g)、S(46〜52g)、MS(52〜58g)、M(58〜64g)、L(64〜70g)、LL(70〜76g)と6段階に分かれています。よく目にするのはS〜Lサイズでしょう。家庭料理のレシピで使われる卵の重さの基準は50〜60gで、これは殻を除いたMサイズ50g、Lサイズ60gに準拠しています。MSサイズの殻なし重量は47gと少なめなので、たくさん卵を使うレシピの場合は注意が必要です。

卵は完全栄養食と言われています。主成分はタンパク質で卵1個の賞味50g(Mサイズ)の中に6.1gもあります。1日に必要なタンパク質は約50gですから、9〜10個食べれば1日分になります。少し前まで卵は1日1個程度にとどめるべきだという説が信じられていましたが、今は明確な個数制限は設けられていません。ですが、特定の食品の食べ過ぎは良くありません。卵には血管をしなやかに保つレシチンやオレイン酸などが含まれていますが、一方で脂質が多いということを頭の片隅に置いておきましょう。ビタミンもAやEなどは含まれていますが、Cだけは含まれていないので、卵の豊富な栄養成分を過信することなく、野菜などを併せて摂取することも必要です。

卵といえばニワトリの卵を思い浮かべますが、ウズラの卵の人気も根強いものがあります。ビタミンB12はニワトリの卵の5.2倍、DHAは3.5倍で、卵によるアレルギーも起こしにくいようです。ウズラの卵は1個あたり10gで、5〜6個食べればニワトリの卵1個分よりも多くの栄養が摂取できます。こちらも脂質の過剰摂取に注意しながら適度に食べていきましょう。

アヒルの卵は、中国や東南アジアの国々でピータンとして親しまれています。灰の中で熟成させ、白身が真っ黒、黄身の部分は灰色になった、嗜好性の強い食材です。灰ではなく、塩漬けにしたのはシエンタンと言い、プーアール茶やウーロン茶で煮出したものはチャーダンと言われます。参考までに、孵化直前のアヒルの卵を茹でたものはバロットと呼び、気の弱い旅行者を震えさせています。

日本の卵は諸外国のものとは違い、生食できます。これは食中毒の原因となるサルモネラ菌が卵の殻につかないよう、生産者が細心の注意を払ってくれているからです。海外ではそもそも加熱調理を前提としているため、賞味期限も1ヶ月と長めですが、日本の賞味期限は生食できる期限で、冷蔵保存すれば3〜5週間は保ちます。賞味期限が過ぎても、腐っていないことを確認してから十分に加熱すれば、食べることができるのです。逆に加熱すると賞味期間が短くなるのでご注意を。

卵かけご飯は、江戸時代に水戸光圀が食べていたという記録があり、明治時代に岸田吟香(ぎんこう)が広めたと言われています。昔から日本人は魚介類も刺身で食べていましたから、卵の生食にも抵抗はなかったのでしょう。卵かけご飯は朝に食べるのがおすすめです。卵のタンパク質とご飯の炭水化物が活動に必要なエネルギーを作り出してくれ、代謝アップにもつながります。手間もかからず、忙しい朝にぴったりですから、取り入れてみてはいかがでしょうか。

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