Writingsコラム
暑いだけじゃない!大分県日田市

夏の始まりが、どんどん早くなってきています。30℃以上の真夏日、35℃以上の猛暑日に達したと、よくニュースで取り上げられるのが日田(ひた)市。九州北部、大分県の都市の一つですが、暑さだけが名物ではなさそうです。
日田市の誕生は、1940年、日田町を中心に三芳・高瀬・光岡・朝日・三花・西有田の6村が合併からです。その後、東有田・小野・大鶴・夜明・五和の5村が加わり、2005年の平成の大合併で、日田郡前津江・中津江・上津江の3村と大山・天瀬の2町が集まった結果、現在の日田市となっています。
ひとくちに日田市といっても、旧前津江・中津江・上津江村は、標高1,200mを超える場所もある山間部です。人口も多く、市街地にあたる地域が日田盆地。山に囲まれているため、海風が届かず、熱気が滞留しやすいという地形です。さらに山を超えた空気が下降する際、温度が上昇するフェーン現象が起きやすい場所でもあるため、日本全国に猛暑をもたらす太平洋高気圧やチベット高気圧が居座ると、日田盆地は気温がどんどん上がってしまいます。
暑さが注目されがちですが、冬は結構寒いのも日田市の特徴です。最低気温が−5℃まで下がることもあり、山間部の積雪は30cm以上になることも。ただ、山間部から盆地へ向かって数多くの河川が流れ込み、市内を流れる三隈川は九州最大の筑後川に至り、久留米や大川などへ材木などを運ぶ水運として重視されていました。水運はダムの設置によって途絶えましたが、福岡市まで車で1時間程度という通勤圏内。イオンをはじめとした大型ショッピングセンターもあり、便利で地価がお手頃な日田市に住居を構える人も多くなっています。
水に恵まれた日田市は「水郷ひた」とも呼ばれ、寒暖差が大きいことから梅や梨などの果樹栽培が有名です。山間部ではシイタケをはじめ、ワサビやサンショウなどの栽培も盛んです。地下1,000mから水を汲み上げた「日田天領水」は活性水素やシリカなどの健康成分を含んだ軟水で、健康志向の人に人気のミネラルウォーターです。質のよい水に恵まれている理由は、周囲を囲む山岳地帯で積み重なったミネラル豊富な岩盤地層で濾過されるためです。
豊かな土地の恵みを享受している日田市ですが、意外な名所もあります。漫画家・諫山創さんの出身地であることから「進撃の巨人」関連スポットがいくつか設けられています。まずは日田駅前の広場には、リヴァイ兵士長の像が。道の駅「水辺の里おおやま」には「進撃の巨人 in HITA ミュージアム」があり、原画などの展示があります。サッポロビール九州日田工場にはミュージアムの「ANNEX」が併設されており、漫画の世界に没入することができます。日田市大山ダムには、エレン、ミカサ、アルミンの幼少期の像が設置され、彼らの背中側から巨大なダムの壁を見上げ、巨人の大きさを想像してみる場所となっています。
最高気温を記録した際、よく取材映像として使われているのが、昔ながらの街並みが残る豆田町。かき氷やアイスクリームを売る店をはじめ、「進撃の巨人」グッズもしっかり売られており、散策するのが楽しい一角です。
暑さ寒さが厳しい日田市ですが、それを上回る見所が満載で、魅力にあふれています。古くから九州北部を結ぶ交通の要所である日田市ですから、福岡市をはじめ、大分市や熊本市を巡る観光地として視野に入れてみてもいいかもしれません。


