Writingsコラム
雑談で人間関係を柔らかく

特に必要はないけれども、気楽な気分で会話を交わすのが雑談。仕事の合間に上司や同僚と。または取引先との商談の前後などに交わされていますが、マスク着用やリモート勤務などで会話自体が減ってしまった今、雑談もだいぶ減ってきているのではないでしょうか。従来、必要のないものとされていた雑談ですが、今、改めてその効用が注目されています。
まずは組織内の潤滑油としての雑談。挨拶や連絡の際に交わす他愛のない会話で、人間関係がスムーズに運んでくれることは体感していると思います。天気の話やコンビニでの買い物内容など、軽い話題を交わすことで「この人は暑がりのようだ」「麦茶が好き」など、小さな情報を交換することが、性格を理解する手掛かりになったりします。話題として、人の悪口や愚痴はストレスになりますから、あくまで軽いものを選びたいものです。
取引先と交わす雑談には、それをきっかけにビジネスチャンスにもつながることがありますから、不得意な人は気後れするかもしれません。けれども、あくまでメインは商談ですから、雑談の能力に関してはあまり悩む必要はないでしょう。職場での雑談同様に、マイナス要素は口にしない、否定は避けるという基本を守ればいいだけです。相手が話し好きであれば、主導権を相手に委ねてしまいましょう。
雑談をしたがらない相手とは、無理にしないこと。雑談は、あくまで人間関係を円滑に進める手段の一つなのですから、互いに踏み込みすぎない距離感で、肩肘はらずに会話のキャッチボールをしていきましょう。
リモートワークで雑談の場が少なくなった職場も少なくありません。業務の連絡など、文字だけでは相手の気持ちが分かりにくく、悩んでしまうことも多いと思います。ランチタイムや午後のティータイムに雑談の場を設け、他愛のない会話を交わすことを勧めている会社もあります。コミュニケーション不足に悩む管理職の方は、強制力を伴わない形で雑談の場を設定することを考えてもいいかもしれません。
仕事は一人でするには限界があり、チームの力で突破していくことも多いものです。互いに相談しながら成し遂げていくという過程の中で、一見無駄と思える些細な会話の重なりが、チームに柔軟性をもたらしてくれるのかもしれません。適度な雑談で心のコリをほぐし、人間関係を柔らかく保っていきましょう。