Writingsコラム

スギやヒノキだけではない!花粉あれこれ

2024年夏の酷暑の影響で、花粉が大量に飛散するようです。日本で最もアレルギー患者の多いスギ花粉は1月頃から始まっていますが、3月からはヒノキ花粉が飛来します。花の咲く季節は必然的に花粉が多くなるものです。スギやヒノキ以外の花粉のことも知っていきましょう。

まずはスギと同時期か、やや早い時期に飛散するのがカバノキ科のハンノキです。公園によく植えられている10〜20メートルに成長する大木で、花粉を飛ばす雄花は円形で垂れ下がった状態になります。くしゃみや鼻水など、スギやヒノキ花粉のアレルギー同じような症状を引き起こしますが、ハンノキは口腔アレルギー症状も引き起こします。ハンノキ花粉と分子構造が似ているリンゴ、桃、キウイを食べたときに口の中がイガイガする人が発症しやすいとされています。

同じくカバノキ科シラカンバ(白樺シラカバ)は北海道と東北地方に多く、ハンノキと同じような症状が出ます。主に北海道で悩まされる人が多く、現地ではスギ花粉の人よりも患者が多いとか。北欧諸国でもシラカバやハンノキの花粉アレルギーに苦しめられている人が1〜2割ほどいるようです。このように、花粉に悩まされているのは日本ばかりではないことがわかります。

英語で花粉症はHey Fever(ヘイ・フィーバー)と言い、直訳すると牧草熱になります。イネ科のカモガヤ(オーチャードグラス)をはじめ、オオアワガエリ(チモシー)、ナガハグサ(ケンタッキーブルーグラス)などの雑草花粉のアレルギーが、牧場で働く人たちの職業病として知られていました。日本でも牧草として輸入されたものの中から広がり、河川敷や道端に生える雑草から花粉を吸い込み、アレルギーを引き起こす人も増えました。イネ科の花粉症は皮膚のかゆみなど、全身に症状が現れやすいことが特徴で、飛散時期も8月くらいまで続きます。

夏から秋にかけてはキク科のブタクサやヨモギの花粉が飛び交います。時期的に夏風邪と間違えられやすいのですが、これも立派な花粉症。こちらも道端などに生えているのでご用心。アサ科のカナムグラ、イネ科のススキ、モクセイ科のキンモクセイなどから発症するアレルギーもあります。自然豊かな場所で過ごした後、鼻や喉の調子が悪くなったら、花粉症を疑った方がいいかもしれません。

こうした花粉にアレルギーがあるかどうかは血液検査で調べることができます。くしゃみや鼻水という症状は、風邪と似ているので気づきにくいのですが、気温の高い日、風の強い日、雨の翌日の晴れた日に突然目がかゆくなったり、くしゃみが止まらなくなったら、花粉症かもしれないので病院で確認したほうがいいでしょう。

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