Writingsコラム
カレーからスリランカを知っていこう!

スパイスカレーが定着してきた今、インドだけではなく、スリランカにもスポットが当たってきています。カレーを入り口に、スリランカについて探っていきましょう。
スリランカカレーの特徴は、さらりとしていて、辛さよりもまろやかな味わいです。ココナツミルクが多用され、バターは不使用。旨味として、鰹節に似たモルディブフィッシュという乾燥魚を使っているため、日本人の舌に馴染みやすくなっています。1つのカレーに使う具材は1種類で、海に囲まれた島国のため、魚介類が多く使われているのも魅力となっています。中心にご飯を盛り付け、魚介か肉のカレーを1種類、野菜カレーを1種類、他、ピクルスなどの副菜を4〜5種類。これを彩りよくワンプレートに盛り付け、好きなように混ぜて食べていきます。
食後は、ココナツミルクを使ったスパイス入りプリン(ワタラッパン)などをセイロンティーと共に楽しむか、バニラやローズのシロップとミルク、バジルシードを混ぜた甘いデザートドリンク(ファルダ)、インド料理などでお馴染みのラッシー、スリランカの名産品カシューナッツを使ったアイスクリームなどで、スパイスの刺激を抑えるのが良さそうです。
スリランカはインドの南側にあり、大きさは北海道よりも一回り小さいくらい。南部は山岳・高原地帯で2,000メートル級の山が連なっています。北部へいくほど平坦になり、平坦な北部では稲作などの農耕が盛んに行われています。高地では紅茶が作られ、ディンブラ、ウバ、ヌワラエリアがセイロンの3大銘茶と言われています。中〜低地で作られるキャンディやルフナも有名で、低地にいくに従って紅茶にコクが加わってきます。
正式国名はスリランカ民主社会主義共和国。18世紀に英国に占領され、1948年に自治領として独立。1972年に完全独立して現在の国名となりました。英国領の間はセイロンと呼ばれていたため、紅茶などの影響でセイロンという名称が日本で親しまれていました。スリランカはシンハラ語で「輝けるランカー島」という意味。もう一つの公用語であるタミル語では「イランガイ」と呼ばれます。
スリランカは他民族・他宗教国家です。シンハラ語を話すシンハラが74.9%と多数派ではありますが、タミル語話者であるスリランカ・タミルが11.2%。19〜20世紀にかけてインドからプランテーション労働者として移民したインド・タミルが4.2%を占めます。シンハラは伝統的に仏教徒で人口の7割を占めますが、タミルはヒンドゥー教を信仰しているため、12.6%に上ります。他、ムスリムは9.7%、キリスト教は8%となります。これはランカー島がインド洋を結ぶ中継地だったために人々が多く行き交ってきた結果です。
英国の支配から脱した後、スリランカでは2大政党が政権交代を繰り返し、民族・宗教単位で反発が起こり、内戦に至ったこともあります。現在でも緊張は続いており、特定の一族の支配や財政や貿易赤字なども重なり、問題は山積しています。コロナ禍による観光産業の打撃で2022年には国家破綻を宣言しました。
しかし高等教育まで無償という、世界でも数少ない国の一つで、識字率は92.5%。世界遺産や自然遺産も有する風光明媚な国です。食文化はもちろん、豊かな文化を有する国であることは間違いないでしょう。


