Writingsコラム

企業文化と外部の視点

以前のコラムで仕事を楽しくするための習慣付けや物事の捉え方について述べましたが、今回も習慣について少し掘り下げて考えてみます。
「企業文化」という言葉があります。ある企業がもつ独特の価値体系や行動規範を指す経営学の用語です。
もう少し噛み砕くと、企業にはその組織特有の雰囲気や風土、不文律や慣習が存在し、ある程度の時間をかけて社員間に浸透し習慣化され、受け継がれていく性質のものが企業文化と呼ばれたりします。

当然ながら、その企業の事業を発展させる上で推進力となるような良い文化もありますが、外部の人間からすると「あれ?」と疑問に思うようなものも時々見受けられます。
以前、あるメーカーに伺った際、その会社の30代と思われる社員の方が、50代と思われる外部の方に対し敬語を一切使わず、くだけた若者言葉でラフに話し続けているのを見て、違和感を覚えたことがありました。
付き合いが長く親しい間柄だったのでしょうが、急にそんな場面を目の当たりにすると、外部の人間なら多少なりとも驚くのではないでしょうか。一般的には、20歳近くも年上の相手にくだけた言葉使いで接するのは失礼にあたるからです。
何度か訪問しているうちに、その会社には、相手の年齢に関係なく、取引先(特に業務委託関係にある広告代理店や制作プロダクションなどベンダー)の担当者とくだけた口調でやり取りする社員が多いということが分かりました。
この例から、社内の習慣というものは、しばしば外部の人間に違和感を覚えさせることがある、ということが分かります。
企業文化は社内に浸透した習慣や内部ルールが受け継がれて形成されるものであり、部外者が抱くその企業のイメージに結びつくものです。よって、どんな会社であれ社員は、「外部の方が自分を通じて自社にどのような印象を持つのか」に留意することが肝要でしょう。

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