Writingsコラム

良くない習慣に打ち勝つには(1)

社内で長年当たり前の仕事だと思って続けていたことが、世間一般の感覚や常識からずれていき、やがてそれが明るみになって社会的に非難を受けたり、挙げ句の果てには法を犯してしまって逮捕者が出る、といった事件が度々起きます。
その実態はおそらく、担当していた社員は半ば思考停止した状態で悪しき前例を踏襲し、気が付いたら法に反してしまっていた、というものでしょう。

あるいは、個人的には「これってマズいんじゃないか」と薄々気が付いていたにも関わらず、踏みとどまるタイミングを逸した、これまでもバレなかったのだから大丈夫だと思い込んでいた、ということかもしれません。
また、上層部から強いプレッシャーがあった、ということも耳にします。
いずれにせよ、自社あるいは特定部署の都合の良いようにデータを操作したり、決算を粉飾したりといったごまかしは、社外や他部署からは分かりにくいです。そのため、この手の不祥事はその会社の社内制度や企業文化の問題、ひいては経営者はじめ社員一人一人のモラルの問題とも言えるでしょう。
縦割りが硬直化した組織内で社会生活を送り、職場環境や業務内容が比較的安定していると感覚が麻痺し、普段から行われていることに疑問を持てなくなってきます。そして、気が付くと自分の日々の仕事が不正の一旦を担っていた、ということにも…。
入社当初から、不正を行いたいと思っていた社員はいないはずです。良くも悪くも毎日過ごしている環境が仕事の内容や意識を習慣付けてしまうのです。(次回につづく)

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