Writingsコラム

良くない習慣に打ち勝つには(2)

不祥事の原因が悪しき習慣と関連している場合、経営的には、部署間の風通しを良くするために社員の意識を正しく方向付け、外部の視点で社内制度を精査する、といったことが急務でしょう。ともかく、うみを出し切るために自浄作用を発揮するしかありません。
一方、個々の社員が普段から客観的な視点を持ち続けるにはどうすべきでしょうか。
それは結局のところ、「世の中の動きや空気を意識しなければならない」としか言いようがありません。

社外の人との交流でも、社会人向けの大学院での勉強でも、新聞やインターネットでも、情報源は何でも良いでしょう。ある情報に接した際に、自分の仕事と関連づけて考えられるかどうかです。
「あれ、待てよ。この情報と照らし合わせると、あの仕事のやり方ってまずいんじゃないか?ここはこう改善しないといけないんじゃないだろうか」。
そういった「ちょっとした引っかかり」のアンテナを張れているかどうか、日頃から危機感をもって自問自答ができるのかどうかなのです。
帰結としては、モラルの有無や、善悪の判断ができるかどうかということになってしまいますが、「人や組織は知らず知らずの内に、良くも悪くも習慣に縛られる」ということは一つの真理と言えるかと思います。また、長年続けてきたことを止めるのには痛みが伴います。社内に蔓延している悪しき習慣を断つための痛みは、巡り巡って社員のリストラという形で表れることもあります。
より良い習慣を社内で増やせるよう、一つ一つの仕事の本質を意識し、健全な心持ちで日々業務に取り組んでいきたいですね。

アーカイブ

ページ上部へ戻る