Writingsコラム

転職エージェンシーの存在意義(2)

当初は「転職にあまり自信がない」といった発言をしていた方にも、質疑応答を通じて「これだけの経験と能力をお持ちなら、この案件に合致しそう」と判断した場合は、その求人案件をご紹介することがあります。その際は、なぜお勧めするのか、根拠を示して説明します。
以前、あるデザイン事務所で著名なデザイナーさんのアシスタントをしていた方から、転職のご相談を受けたことがありました。

その方は、長らくそのデザイナーさんに師事し、アシスタントとして師匠の仕事ぶりを間近で見てはいましたが、自分の担当する業務は師匠の仕事内容とは明確に分けられていたとのことでした。
師匠が担当していたコンセプトの立案やデザイン案の検討なども手がけてみたくなり、転職を考え始めたとのことでした。しかし、その師匠の下での仕事の経験しかなかったため、はたして他の環境で自分はデザイナーとして通用するのだろうかと不安を持たれていました。
そこで当社は、たくさんの質問をし、強みの棚卸しを一緒に行いました。その方がイラスト制作や女性向け商材の表現などデザイン業務にとても慣れていること、優れた師匠の下での仕事が長かっただけにクオリティの基準が高いことなどが分かりました。
「これだけの方ならご紹介できる案件はいくつかある」、そう考えましたが、ネックはご本人の思い込みでした。自分にはこれしかできない、大きな組織には向いていない、そう思い込んでいらっしゃいました。
なぜこの求人案件をご紹介するのか、経歴と照らし合わせて根拠を説明し、「転職市場が活況を呈していたとしても、飛躍のチャンスとなりそうな出会いというのは貴重なのです」と率直に申し上げました。
最終的には、その方は面接の場でご自身もびっくりするくらい優れたプレゼンテーションを行い、志向や強みを端的に説明し、希望していた企業への転職がかない(デザイン事務所も円満に退職され)、いまでは大変活躍しています。
転職希望者ご自身の思い込みや思考の枠組みが可能性を狭めているように見受けられる場合、別の視点を提供することも当社のような転職エージェンシーの役割であり存在意義だと考えています。
転職に際して、第三者の視点を求めていらっしゃる方や、別の角度からアプローチをしてみたい方は、ぜひ当社にご連絡ください。

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