Writingsコラム

仕事のスタイルと乗り越えるべき壁(3)

他者からの信頼は失うと取り返しのつかない無形資産です。大きな課題や試練に直面したときの様子を周囲の人達は見ているもので、その際の行動が日頃の発言と乖離していると、その後、発する言葉をなかなか信じてもらえなくなります。

また、同僚や上司はもとより、顧客や取引先からの信頼を失うことは自社の業績にマイナスの影響を与えかねないため、その社員個人の問題では済まされません。

仕事上の試練は誰にでも訪れるものです。その都度とことん考え乗り越えて行く内に「自分はこうする」という仕事のスタイルが確立していき、信頼も得られます。優秀な転職希望者の方々は活き活きと働いておられますが、エピソードをお聞きすると「難しいプロジェクトを成功裏に終えることができ、それが飛躍のきっかけとなり、その後も自信を持って経験を積んで来られたのですね」と納得することが度々あります。

誰しも初めての課題への挑戦は予測できないため怖さを感じます。しかし、未知の仕事でもまずは臆せずやってみて、上手くいかなければどうすれば良いだろうと真摯に考え行動する、そのチャレンジ精神が大切です。どうしても経験が浅い内は、上司や先輩のように責任ある仕事をスムーズにこなすのは難しいですが、とりわけ20代の頃は周囲も手助けしてくれるものです。

学生時代までの経験と能力では太刀打ちできない事態に直面するのが社会人です。仕事ではときに理不尽に感じることだってありますし、ポジションが変わると、また新たな高い壁が現れ、慣れた方法が通用しなくなります。そして仮に課題や試練を避け続けたとしても、いずれ必ず挑まなければならなくなります。不思議なもので、その際は、最初に避けたときよりもハードルが上がっていたりします。その意味でも、気力と体力もある人生の序盤で失敗しながらも乗り越える経験を積むことは、その後の社会人生活に長らく良い影響を与えるでしょう。

「これは未経験で正直不安もあるが、着実に取り組めば自分は大丈夫だ。これまでもそうしてきたのだから」と自信を持って臨めるような仕事のスタイルを築いていきたいですね。

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