Writingsコラム

ダイバーシティについて(1)

企業組織のあり方と関連して、ダイバーシティ(Diversity)という言葉を聞くようになって久しいです。ダイバーシティは、辞書的には、意見や様式などの多様性、様々な種類、人種や社会経済的な文脈における多様性(許容)、通常のものとの相違点、食い違い等を意味します。

平成24年度より、経済産業省がダイバーシティ経営に取り組む企業のすそ野拡大を目的に、多様な人材の能力を活かし、価値創造につなげている企業を表彰する「ダイバーシティ経営企業100選」(経済産業大臣表彰)を実施していますが、近年、企業人事や人的資源管理、働き方改革等とあわせてダイバーシティの推進が語られることが増えています。

ところで、昔から「262の法則」というものが知られています。一説によると松下幸之助氏による提唱とのことですが、どのような組織においても、2割の人が優秀な働きをし、6割が普通、残り2割が怠ける、あるいは良くない行動をとるという経験則で、しばしば耳にします。

どんな企業でも、全社員の能力が高く仕事の質が高位平準化されている、つまり全員が優秀であることも、また逆に、全員が怠慢ということもあり得ませんので、262の法則は企業組織の実態をある程度反映していると感じます。もちろん、業種業態や個々の企業によって上記の割合は様々でしょうし、重要なのは何をもって、どのような観点から「優秀、普通、怠慢」を判断するかです。

ヒントは自然界にあります。262の法則は「働き蟻の法則」とも例えられ、蟻や蜂のように組織的に集団生活をしている生き物にも同じような傾向が観察されるのだそうです。(次回につづく)

参考:「新・ダイバーシティ経営企業100選」

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