Writingsコラム

キャリアの虹を描く(1)

キャリア・ガイダンスの諸理論の一つに「職業発達理論」があります。当理論では、キャリア・ガイダンスの目的は、個人のキャリア発達過程と発達段階に応じた課題解決の支援であると論じられています。

当理論を完成させ、職業的発達の命題および発達課題を挙げた研究者、スーパー(Super, D. E.)が「キャリアの虹(ライフキャリアレインボー)」という考え方を提示しています。

今回のコラムでは、このライフキャリアレインボーを念頭に、今後のキャリア形成について考察してみます。

さて、ライフキャリアレインボーとは、「人は生涯において9つの大きな役割(子供、学生、余暇人、市民、労働者、配偶者、家庭人、親、年金生活者)を演ずる。その舞台は家庭、地域、学校、職場など一つのこともあれば複数の場合もある。各役割を演ずる中で、個人は他人から見られる自らの役割を再構成していく」という概念です(参考イメージ図)。

ライフキャリアレインボーには、発達段階の区分と、区分の要因(社会構造、歴史的変化、社会経済的組織、就職の実態、学校、地域、家庭等)が示されています。個人がある時点でどのようなライフステージにいてどんな役割を担っているのか、過去〜現在〜未来の立ち位置について考えを深め、行動を変容させる上で大変有用なフレームワークです。(次回につづく)

参考:
木村周著『キャリアコンサルティング 理論と実際』雇用問題研究会
エンジニアも知っておきたいキャリア理論入門:スーパー理論でキャリアの全体像を考えよう

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