Writingsコラム

ざわつく心を鎮めるグランディング

寒さも緩み、草木の芽生える季節となりました。春は物事が切り替わる季節でもあります。気分を切り替える手段として、この季節にぴったりなグラウンディングをご紹介しましょう。

グラウンディングは、本来的には物事の基礎、その地に留まる、という意味です。そこから少し発展させ、あれこれと考えがちな気持ちを鎮めるために、地に自分の足がついていることを意識し、心と体のバランスを取る、というような意味合いで使われています。心を落ち着かせる緩やかな考え方としてのグラウンディングは、仕事等で疲れた心を整えてくれます。

エネルギー不足は疲労の主な原因ですが、過剰な思考も心と体を疲弊させます。この過剰なエネルギーを、過剰な電力を地面に流すアース装置のように、大地に流していけば心も安定してくるだろうというのが基本的なグランディングの考え方。ヨガや瞑想などの手段もありますが、一番簡単な方法は、素足で大地を感じること。まずは靴や靴下を脱ぎ、直接地面を感じてみましょう。できるならば、地面に寝転がってみるのもいいかもしれません。日常的に取り囲まれている人工物を取り払った、大地とのダイレクトな感覚を再確認してみましょう。

公園などで裸足になったり寝転がったりするのは他人の目が気になってしまう、という人は、きちんとした姿勢をとって立つ、座ることを意識するだけで大丈夫。ベッドに寝転がって、深呼吸をするだけでもいいでしょう。その際、目を閉じて、豊かな大地や地球といった規模の大きなものを思い描いてみましょう。

自分の夢を空想してもいいでしょう。夢を実現できるようになるためには、まずは自己の力量を正しく認識することから始まります。外部からの雑音を一旦クリアにして、大地としっかり見つめ合うことで、過小評価も過剰な思い込みもない、等身大の自分を捉え直してみたいものです。そうして把握した現状から、より大きく成長していく手段を徐々に実現していきましょう。

「腰が据わらない」「地に足がついていない」など、人体に対するネガティブな表現は、地面とのバランスが取れずに姿勢がぐらつくことに由来するものが多いようです。思考が空回りしたり、自分の輪郭がはっきりせずに自信が持てないという心の状態は、グラウンディング力が弱いのかもしれません。揺らぐ心と体は、大地にどっしりと根を張った大樹のように、揺るがない自分の輪郭を意識して、取り戻していきましょう。

季節は春。大地に根差し、高く伸び行く自分を想定し、明るいイメージを持って日々を過ごしていきましょう。

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