Writingsコラム

必要とする人のために。ヘアドネーション

バラエティショップなどで、驚くほどカラフルで安価なウィッグを見かけます。これらは人工毛で作られていますが、時には人毛と見間違えてしまうほどのウィッグもあります。近年、人工毛の進化は素晴らしいものですが、人毛から作られたウィッグが欲しい人たちもいます。

抗がん剤などの投薬治療では、脱毛を伴う場合があります。そうして敏感になった肌には、ポリエステルなどで作られた人工毛ウィッグが合わないことも起こります。そんな時に必要とされるのが人毛で作られたウィッグ。医療用に作られたウィッグは、刺激となるような素材を使わずに作られ、大量生産タイプのファッション・ウィッグにありがちな締めつけがないように工夫されています。何よりも人毛を使うと、ツヤ感などがナチュラルで、ウィッグをつけていると他人に知られにくくなります。病気でセンシティブになっている患者さんにとって、心の負担が軽くなることは大切なことです。

そういった理由で、特に医療用では人毛を使ったウィッグが必要となります。現在、日本で生産されている人毛ウィッグの材料は中国、インド、ブラジル、ウクライナなどから集められています。中国以外は強いカールがついていて、日本人の髪質との違いが大きいので、できれば似合わせしやすい日本人の髪でウィッグを作りたいというのは生産者の本音のようです。

そこで注目されるのが、ヘアドネーションというシステム。これはウィッグのための材料とすることを願って、自分の髪を伸ばして寄付する行為。髪は31cm以上の長さが必要で、カラーリングの有無や毛量、髪質、年齢、性別などは一切関係なく受け付けています。白髪まじりの髪も需要があるそうです。各団体で髪の基準が違いますから、各主催団体のサイトをチェックしてみてください。

カットするときは、ヘアドネーション活動に協力しているヘアサロンを利用するのが最も便利です。検索すると地域のヘアサロンが表示されます。あらかじめ注意点なども確認しておくと、せっかく伸ばした髪を無駄にすることがなく、安心です。

誰かの役に立ちたいという気持ちはあるけれども、何をしたらいいかわからない。そんな場合はヘアドネーションを考えてみてはいかがでしょうか。髪は1か月に1cmほど伸びるといいます。31cm以上になるまでにそれなりの時間はかかりますが、その間、健康に気を遣ったり、手入れを心がけるなど、自分自身へのプラス効果も出てくるかもしれません。また、ヘアドネーションは資金面でもサポートできますから、興味のある方は検索してみてください。

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