Writingsコラム

忘れられない一言(2)

「今日という日は、二度と来ないんですよ」。この熱い言葉は、以前通っていた美容院の美容師さんがおっしゃっていたものです。その方は美容院の経営に大変熱心で、また、本格的な釣りを趣味とされるなど色々なことに興味をもたれ、とてもエネルギッシュでした。

仕事が忙しいと疲労がたまって週末はグッタリし、ダラダラと過ごしてしまいがちです。土曜に目覚めたら既にお昼過ぎだったという経験のある方も少なくないでしょう。心身を休めることは大事なので寝て過ごすのが悪いわけではありませんが、「寝過ぎて時間を無駄にしてしまった…」と少し自己嫌悪になったりもします。そんなある土曜の夕方、美容院に行った際、今日はさっきまで寝ていたと言ったところ、その美容師さんが上記のようにおっしゃったのです。

美容院の休みは週に一日だけ。しかも経営者なのですべきことは山積みでしょうから、実際の休みはほぼないような状態だったと思います。そんな多忙な美容師さんのお話しにはとても説得力があり、ずっと記憶に残っています。

「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定を本当にやりたいだろうか?」と、故スティーブ・ジョブズ氏もおっしゃっていますが、「言うは易く行うは難し…」というのが実感としてあります。目標達成に向けて日々の行動を律し、納得しながら過ごすことを心掛けても、目の前の状況に右往左往したり、息切れしてだらけてしまうのが人間です。

しかし、ジョブズ氏のような偉業ではないにせよ、仕事の成果を上げ続けたい、自分らしく働きたいなど、中長期的な目標を目指す上では、自分自身を律することは欠かせません。とはいえ、いつもガチガチになっていては柔軟性がなくなりますので、「今日という日は…」と上記の言葉を時折意識するだけでも違ってくるでしょう。

今日も一つ一つ着実に取り組んだ。そんな手応えを大事にしていれば、いつの間にか高みに達しているかもしれません。何事も継続が難しいです。

転職希望者の中でも優秀な方は、どなたも努力を惜しみません。日々の行動がやがて誰にも真似できない成果に繋がる。そう信じて今日一日を大事に過ごしていきたいですね。

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