Writingsコラム

未来志向の姿勢(1)

転職市場では経験と能力が問われます。前職までに何をしてきたのか、それまでの思考と行動の結果である実績が、転職希望者の市場価値になります。また、前職の会社名や役職、肩書き等が判断材料となり、転職が決まるケースも少なくありません。

ただし、どんな経緯であれ、転職は新たなスタートに過ぎません。転職先が決まることでその転職活動は一旦終了となりますが、キャリアはまだまだ続いていきます。

当社はしばしば、「成功する転職とは? ミスマッチを避け、成功するにはどうすべきか?」といった質問を受けることがあります。転職における成功の定義や捉え方は単純なものではありません。ある転職希望者が感じる成功が他の方にも当てはまるとは限らないからです。当コラムで転職の事例を随時ご紹介していますが、成功のあり方やキャリアプランの考え方は様々です。前職よりも規模の大きい会社に転職することや、役職や給料など待遇が上がることはキャリアアップの指標として分かりやすいですが、それらは転職に伴う要素の一つです。それらによってのみ成否が決まるとは一概に言えません。

例えば、非常に優秀なデザイナーの方が、さらに飛躍する機会を求め、減給するにも関わらず異業種に転職されることもあります。そういったケースでは、転職後にやりがいを感じられることや新鮮な気持ちで張り合いをもって働けること、新たな目標の達成に向けてチャレンジできることなどが、「成功した転職なのかどうか」を左右していると言えます。仕事から得られる主観的な満足度が高ければ、その人にとってその転職は成功なのです。

はたして転職における成功とは何でしょうか。エージェントの立場から申し上げるとすれば、「転職後も活き活きと働き、能力を発揮し、学びながら前進できること」です。成否は採用が決まった時点で明らかになるのではなく、中長期的に分かってくるものです。上述のように、前職の会社名や役職、肩書き等を評価され、ヘッドハントされるような形で転職に至るケースも勿論ありますが、どんな転職においても重要なのは、その後の働きぶりと成果です。(次回につづく)

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