Writingsコラム

未来志向の姿勢(2)

中途採用では即戦力として能力を発揮することが期待されており、可能な限り早く成果を上げることが求められます。転職活動中や入社直後は、転職希望者も求人企業も双方ともに期待と不安とを併せ持っている状態ですが、入社後、ある一定の期間を経た時点でその人材の本当の実力や職場の様子が明らかになり、相互理解が進んでいきます。

その過程で「前職までの慣れたやり方が通用しない」「期待通りの人材ではなかった」など、入社した人材側と採用した企業側の双方で思惑の相違やミスマッチに気づくことがあります。そういったケースでは、その転職・中途採用は当初から課題を内包したものであったと言えます。

転職希望者は前職を基準に転職先をイメージしてしまうことがあります。転職後の自分の働きぶりや新たな職場環境、これから築く人間関係などに何らかの良いイメージを持って転職を決断します。その認識に根拠が乏しかったり、期待が過大でイメージが先行してしまっていることもあり、ズレが大きいと後からミスマッチが判明します。

そもそも転職する前に築いた実績は、前職までの環境あってのものと言えます。また、能力についても、大いに発揮できていたのは前の職場のお膳立てがあったからかもしれません。転職活動時に整理した経歴は、前職の会社のもつブランド力や社内リソース、取引先やグループ会社も含む社内外の人脈に依るものであった可能性が高いのです。

「自分の経験や能力は前職の環境あってのものだ」というように客観的に捉えることが大事です。それが出来ていない場合、その姿勢は転職活動時の意識や態度にも表れてしまい、ミスマッチの一因となります。よくありがちなのは、「前職での役職名や肩書き = 自分に固有の能力の裏付け」と認識してしまう、というものです。「前職ではこのくらいの規模の会社でこういった仕事を任されていたのだから、どこに転職しても大丈夫」のように思い込むと、転職後に「こんなはずではなかった…」ということにもなりかねません。

求人企業の視点を想像し、経験や能力を現実的に認識することが重要なのです。明るい未来に目標を置きながらも、入社後を冷静に見据えて転職活動に臨みたい方は、ぜひ当社にご連絡ください。

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