Writingsコラム

転職で求められる本質的な能力(2)

あるポジションの求人案件に対し、応募要件の一部が満たされていない場合でも、前職までの経験を通じ、そのポジションにとって最も重要な能力が培われていれば採用の可能性はあります。

そのような本質的な能力が身に付くかどうかは、前職までの環境だけでなくご本人の気質による部分も大きいです。過去、内定を得られたケースでは、例えば、求人企業のご担当者は「努力を無理なく続けられ、新しい取り組みにも臆せず一定水準に達するまでスキルを高められる」「基礎的な能力が高く、業務への応用力もある」「総合的に勘案したところ、なかなかいらっしゃらない希有な人材である」といった観点から、その候補者を採用したいと考えたとおっしゃっていました。

上記のように本質的な能力というのは、それまでにご本人がどう過ごして来たか、その結果でもあるので簡単には埋められない差が生じていたりします。ご本人にとって当たり前の考え方や行動だとしても、それを習慣化していること自体が優位性となっています。

加えて、物事の捉え方や視点も重要です。それは以前のコラムで取り上げたクリステンセン教授のジョブ理論に通じる「対象となる物事や人物などにまつわる現象の背後にある要因を洞察し、正しく理解しようと努める」姿勢です。何かに接したとき、「なぜだろう、どうしてだろう」と真摯に考え、「ではどうすれば良いのか、こうするのが最も良いのでは」と仮説を立てて試行し、必要に応じて軌道修正もできるということです。

その姿勢をお持ちの方は、転職後、新たな環境への適応も比較的スムーズで、コミュニケーションを円滑にはかれる傾向があります。おそらく常に正しい理解を心掛け、行動を柔軟に変えられるからでしょう。

当社がこれまでにサポートした転職を振り返ると上記のような共通点が見られます。また、内省する習慣があり、自分自身を磨くのに意欲的であることも転職活動において欠かせない姿勢です。ある求人案件の応募要件にすべてが合致しなくても、前職までの経験や培ってきた能力を活かし、是非とも挑戦したいという方からのご連絡をお待ちしております。

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