Writingsコラム

サブスク型住居あれこれ

音楽や動画をはじめ、服や電化製品など、サブスクリプション・サービスは多岐に渡っていますが、住居も例外ではありません。定額制で好きな場所に滞在できるサブスク型住居は、あちこちの場所を訪れたい旅好きに限らず、通勤通学のために利用している人もいるとか。意外に幅広い利用者がいるサブスク型住居の内容を、少し探ってみましょう。

国内の空き家や別荘を利用した「ADDress(アドレス)」は、空き家対策としても注目されています。リノベーションした一軒家に、登録した本人以外の家族、指定した友人(人数制限あり)も一緒に追加料金なしで泊まることができるとか。連続宿泊は7日間までなので、旅行の際に利用する人が多いようです。同じように旅行感覚で利用する人に人気なのが国外にも拠点がある「HafH(ハフ)」。月に利用したい日数次第で料金が変わり、ドミトリー形式か相部屋が基本のようなので、友人作りを目的とした旅に向いているようです。どちらも暮らすように旅する派に向いているサービスと言えます。

賃貸住宅を借りる場合は、家賃の他に敷金、礼金、管理費等がかかります。さらに電気、ガス、水道の光熱費も必要で、これら費用面の問題がクリアできないために、長い通勤・通学時間に耐えている人もいるでしょう。東京都内の好立地に物件を揃えているのが「XROSS HOUSE(クロスハウス)」。シェアハウスやゲストハウス形式で、多少の初期費用はかかりますが、賃貸物件を借りるよりも相当にリーズナブル。定住を重視したサービスのため、通勤や通学の拠点として利用されているようです。

趣味を存分に楽しみたい人にターゲットを絞ったのが「ホビモ」。2021年4月にサービスが始まったばかりですが、年々増えているサーフィン人口に着目し、全国のサーフスポット近くに物件を確保。今後、徐々に拠点を拡大予定だとか。サーフィンのみならず、ゴルフやスノースポーツなどの愛好者も視野に入れた事業展開を計画しているようです。

手頃な値段でサービス展開をするのがサブスク型住宅の強みです。しかし、どこかでコストを抑えなければ利益は出ません。そこで抑えられているのはプライベート空間。という事情で、サブスク型住居は必然的に共用部分が多くなり、それによって人との交流が自然に発生していくようです。また長期滞在することで、短期の旅行では見えなかった土地柄なども見えてきます。画一的ではない体験ができるサブスク型住宅は、これからもっと成長していく有望市場の一つと言えるでしょう。

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