Writingsコラム

パワーナップでリフレッシュ!

陽気がいい春はどうしても眠くなる、なんて声がよく聞かれます。季節を問わず、昼食後はどうも眠くなり、眠気と戦いながら仕事をしている人も多いはず。眠気と戦わず、あえて受け入れて利用するというパワーナップで集中力を取り戻してみませんか。

眠気のピークは1日2回訪れるようです。深夜から早朝の午前2〜4時にかけてと、昼間の午後2〜4時頃。特に昼食後は、食べたものを分解するためにインスリンが分泌されるので、血糖値が急に下がります。これが昼食後に感じる眠気の主な原因です。

昼間の眠気は日頃の睡眠不足からも起こります。世界的にみても日本人は睡眠時間が平均より少ないようですから、足りていない睡眠を取り戻そうとして、昼間、眠くなるのは仕方がないことかもしれません。本来ならば、夜に取る睡眠に適切な時間と質の良さをプラスしていくべきですが、1日20分程度の昼寝をすることで脳をリフレッシュさせることができます。それがパワーナップ(Power Nap積極的仮眠)です。

パワーナップの研究は1995年ごろからNASA(アメリカ航空宇宙局)で始まりました。昼間、26分の仮眠で認知力34%、注意力が54%アップしたという結果が出て、欧米の大企業がパワーナップを導入したことで広がりました。Google本社では、最適な姿勢で寝ることができ、20分でアラームが鳴るパワーナップ専用マシンがあるという話はよく知られています。

パワーナップで効果を上げるためには、いくつかの条件があります。横にならず、椅子に座って、机に突っ伏した寝姿をとること。適度に薄暗い環境であること。波や風の音などホワイトノイズと呼ばれる適度な雑音があった方が、静まり返った場所よりもいい睡眠が取れるようです。

パワーナップ前にコーヒーや紅茶などのカフェインを摂取することも効果を高めてくれます。カフェインが頭をスッキリさせてくれるのは、飲んでから20〜30分後。起きる頃合いで効果が発揮されて、目覚めが良くなるのです。

20分ほどの軽い睡眠は、脳内情報の整理に役立ちます。睡眠の役割の一つとして、情報をたくさん詰め込みすぎた脳の中を整理し、優先順位をつけたり、必要な記憶を定着させてくれる働きがあります。パワーナップのやり方に沿った軽い睡眠を取ることで、判断力や集中力が戻り、クリアな状態で新しい発想ができるようになるのだとか。ただし30分を過ぎると深い睡眠へと移行してしまうので、要注意です。

日本の企業でもパワーナップを取り入れ、専用のスペースを用意するところもありますが、昔ながらの勤勉さを示すことを美徳とする企業では許されないこともあるようです。将来的に社会全体で考え方が変化し、昼休みの一部としてパワーナップが定着するかもしれません。

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