Writingsコラム

食後、急激に眠くなる?

「眠くなるから」と、重要な仕事の前には食事をしないという人がいます。食後に眠くなり、集中力がなくなるのはよくあることです。なぜ食事をすると眠くなるのでしょうか。

食事をすると、栄養素を取り込むため、胃や小腸などの消化器官に血液が集中します。その分、脳への血液供給が一時的に減少するので、脳への酸素供給量が低下します。食後はリラックスした気分になっているのも重なって、眠気を感じるのは仕方ありません。

ただ、血糖値が急激に上がりすぎた後、急降下する時も眠くなります。これは「血糖値スパイク」と言われ、強い眠気やだるさを引き起こします。これが繰り返されると、体に悪影響を与えます。血糖値スパイクは非常に危険な状態なのです。

血糖値が急に上がりすぎ、下がりすぎる状態が繰り返されると血管が傷つき、動脈硬化を招きます。インスリンを、急に大量に出すことになる膵臓は徐々に機能低下していき、糖尿病になるリスクが高まります。ドカ食いをすることはなく、自分は健康だと思っていても、食後、急激に眠くなるようであれば、一度、病院で検査をした方がいいでしょう。驚くようなドカ食いをして、気絶するように眠りに落ちるという遊びもあるようですが、面白がって行うことではありません。

血糖値の急激な上昇は、健康な人でも糖質の多い炭水化物をたくさん食べると発生します。カツ丼やピザといった糖質の多い単品メニューや、食事しながら甘いドリンクを飲んだり、消化吸収を緩やかにする食物繊維豊富な野菜をあまり食べないなど、食事内容に注意してみましょう。早食いも血糖値の急上昇を促進してしまいます。よく噛んで食べることも大切です。

また、食事の間隔が長くなると、血糖値は急上昇しやすくなります。朝食を抜いて、昼はラーメンや炒飯のセットなど炭水化物の多いメニューを好む人は注意が必要です。できるだけ定食を選び、食物繊維豊富な野菜を先に食べ、血糖値の上昇を抑えていきましょう。

けれども、野菜が不足しているからといって、野菜ジュースに頼り切りになるのは、あまりお勧めできません。野菜ジュースの中には食物繊維が少なく、糖質が多いものもあります。選ぶ際、成分表をチェックするなどの自衛策が必要となります。フレッシュな果物や野菜から作るスムージーならば、食物繊維を摂取できます。

忙しい毎日が続くと、簡単に食べられる炭水化物主体のメニューを選んでしまい、早く仕事に戻ろうと早食いになってしまいがちです。また、食事しながらのスマホは、よく噛まない原因の一つでもあります。まずは目の前の料理にきちんと向き合い、ゆっくりと味わってみましょう。

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