Writingsコラム

デザイナーの独立・起業に必要な能力(2)

デザイナーが独立し、安定的に利益を上げていくには、クライアント(その先にいるユーザーや消費者)本意の姿勢と高いコミュニケーション能力、論理的かつ聞き手を魅了するようなプレゼンテーション能力が欠かせません。

一つ一つの仕事にベストを尽くして取り組み、結果的にクライアントの期待を上回るような仕事をし続けなければなりません。当該案件にとって何が最良かをとことん考え、諸々の制約下でも妥協せずにやり切る覚悟がいるのです。

また、クライアントを含め、周囲との関係性の構築方法にもポイントがあります。コミュニケーション能力と関連しますが、適切な距離感で互いにとって調度良い温度の関係を続けられるよう留意することが重要です。そのためには相手の状況への洞察だけでなく、自分自身に対しても深く理解していなければなりません。

独立して働いているデザイナーの自分が提供できる価値はどのようなものか。必要とされ、求められているデザインとはどういったものか。誰に何をどのような品質・価格設定で提供するのかなど、マーケティングの発想がいります。それは、独立・起業とは経営にほかならないからです。

仕事に精一杯取り組み、考え抜いたデザインであるなら自信をもって提案すべきで、その姿勢は信頼感や安心感を与えます。ただし、提案したデザインに価値があるかどうか、問題解決に繋がるかどうかを最終的に判断するのはクライアントです。評価やフィードバックを受け止める胆力、迅速かつ丁寧な対応力、納品に至るまでの責任は自分が負うという覚悟もいります。

独立して働き続けているデザイナーには以上のような共通項が見受けられます。その上で、当社が日頃お付き合いいただている方々はそれぞれ独自のワークスタイルを確立されています。できることとできないこと、得手不得手な分野、経営の志向性が明確で、恊働する上でもコミュニケーションが非常にスムーズです。

来月、引き続き独立後の経営面について書いてみます。

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