Writingsコラム

三重県津市の地理的優位

三重県といえば、風光明媚な伊勢志摩や、高級牛で有名な松坂を思い浮かべます。忍者の里として名高い伊賀や、サーキットがある鈴鹿など、観光スポットには事欠かないイメージがあります。

県庁所在地である津市は、「漢字一文字の市は?」というクイズの答えとしての知名度はあるかもしれません。しかし特産物や観光名所揃いの三重県の中で、津市は特別な縁がないとイメージが湧きにくい都市ではないでしょうか。

本州中央にある紀伊半島の右側、南北に長い三重県の、ほぼ中央に位置する津市。現在の人口は約28万人。東京都でいえば目黒区と同程度(※)ですが、面積は東京23区と同じくらい。平成の大合併により、近隣の久居市、河芸町、芸濃町、美里村、安濃町、香良洲町、一志町、白山町、美杉村が加わり、非常に大きな市になりました。

三重県内で大雑把に区分すれば、北部は都市化が進んだ便利な地域、南部は豊かな自然が広がる地域となります。その両方を兼ね備えたのが、真ん中に位置する津市。

伊勢湾沿いの好立地から、昔から港町としても機能していました。江戸時代には築城の名手と言われた藤堂高虎が手がけた津城を中心に、伊勢神宮参拝の宿場町として街道整備に努めたこともあって、交通の便は良好です。

現在、津市から名古屋までは車で1時間、鉄道を使えば50分ほど。伊勢湾に面しているため、対岸の中部国際空港に向かう際、高速船を利用すれば45分。東京へは名古屋から新幹線を利用すれば2時間30分。大阪へは車で2時間、鉄道で1時間30分ほどです。

意外なほど、と言っては失礼かもしれませんが、その地理的優位性はなかなかのもの。テレワーク、企業の地方分散や移住が注目されている今、津市のように絶好のロケーションにある場所を探しだす思考実験も面白いかもしれません。

※2020年2月1日現在目黒区住民基本台帳より

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