Writingsコラム

秋田の知事は「お殿様」!

秋田というと、秋田美人や秋田犬、無形文化財のナマハゲ、きりたんぽや稲庭うどんなど、名物がたくさん思い浮かびます。個性豊かな特産物や文化に加え、深さ日本一の田沢湖、世界自然遺産の白神山地など、豊かな自然を有している県です。

昨今、全国の知事がクローズアップされる機会が増えましたが、秋田県の佐竹敬久知事は、全国で唯一の「お殿様知事」です。江戸時代、秋田藩主であった佐竹北家の21代目の当主になります。お殿様と言えば、元首相・細川護煕氏が熊本藩主細川家18代目当主で、かつて熊本県知事を務めたことがありますが、現在は政治から身を引いて陶芸家として活動しています。というわけで、現役の政治家で、かつ地元の知事職についているのは佐竹氏のみとなります。

佐竹敬久氏は秋田県庁勤務を経て、2001年秋田市長として政治家としてのキャリアをスタートさせました。2009年から秋田県知事となり、現在3期目。2013年に「龍角散のど飴」のCMに藩主役で出演したことで話題になりました。「龍角散」は秋田藩の御典医・藤井玄淵によって作られた薬で、のちに子孫が藩主・佐竹義尭の喘息を治すために改良したという経緯と、主成分のカミツレ(カモミール)が秋田県美郷町で栽培されているという縁もあり、秋田県のPRとして行ったようです。

ちなみに佐竹知事は大の猫好き。犬好きのプーチン大統領に2012年東日本大震災の復興支援のお礼として、佐竹知事は秋田犬「ゆめ」をプレゼントし、その返礼としてサイベリアンの猫「ミール」が贈られました。当時、佐竹知事は7匹の猫と暮らしていましたが、8匹目の仲間としてうまく馴染めたようです。たまに「公務」として動物愛護センターを紹介する映像に出演するなど、今なお元気な様子。

このように個性的で、時に思い切ったことを行う知事を擁する秋田県民ですが、総じて実直で慎重と言われています。刑法犯検挙率やシートベルト着用率等(※)、防犯・安全面で全国1位を獲得している項目も多く、その辺りに県民性があらわれているようです。

※「秋田県の日本一と全国ベスト3」秋田県企画振興部調査統計課資料(令和元年11月20日改訂版)より

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