Writingsコラム

出雲大社から神社のことを知る

島根の観光名所といえば、国宝の松江城、わずかに塩分を含む汽水湖で豊富な魚介類が獲れる宍道湖、そして縁結びの神様として有名な出雲大社が挙げられるでしょう。巨大なしめ縄や、60年に一度遷宮される社など、際立つ特徴を持つ出雲大社を通じて、神社についての知識を増やしてみましょう。

出雲大社は明治初期までは杵築(きづき)大社と呼ばれていました。この「大社」は、神社名に付される称号で、天孫に国譲りを行った大国主命を祀った出雲大社にのみ使われていました。そういうわけで戦前まで「大社」は出雲大社のみでしたが、戦後に神社への考え方が変わり、三島大社や住吉大社など、多くの崇敬を集める神社が「大社」を用いるようになりました。ちなみに明治神宮などの「神宮」は、皇祖や天皇を祀っている神社のほか、鹿島神宮など使われる神社はごく限られています。単独で「宮」が使われている場合でも、天皇や皇族ゆかりの神社という意味になります。

参拝の仕方も出雲大社は独特です。二礼(2回お辞儀)四拍(4回の柏手)一礼という形で、現在一般的な二礼二拍一礼という方式とは異なっています。二礼二拍一礼は、もともと神職が玉串を捧げるときに行っていたものですが、昭和末期から平成ごろに一般的な参拝方法として広がっていったようで、比較的新しい習慣のようです。

巨大なしめ縄が目を引く出雲大社ですが、しめ縄には「神様が占める場所」という意味があります。ちなみに、正月飾りとして玄関にしめ飾りを飾るのは、歳神様をお迎えする場所であることを示すためです。出雲大社では拝殿よりも神楽殿に飾られるものの方が大きく、長さは13.6メートル、重さは5.2トン。よく見ると、一般的な神社のしめ縄とは巻きが逆になってます。一説によると、天照大神に国を譲った大国主命が外に出られないように、という結界の意味があるのだとか。天照大神が岩戸に篭り、ようやく外に出たときにも、二度と岩戸に閉じこもらないようにしめ縄が張られたという伝説もあります。遠い昔の言い伝えですから、本当はどういう意味なのか、想像を巡らせてみるのも面白いですね。

出雲大社は縁結びのパワースポットとして多くの参拝者が訪れています。恋愛に限らず、仕事上のご縁が欲しいと思い立ったときも、訪れてみたいものです。

アーカイブ

ページ上部へ戻る