Writingsコラム

食中毒にご用心!

気温と湿度が上がる梅雨の時期、食べ物が痛みやすくなります。油断して食べてしまうと、嘔吐や下痢、腹痛などに襲われ、症状がひどい場合は入院となる場合も。夏場の食中毒対策をまとめてみました。

夏に起きやすい食中毒は細菌の繁殖によってもたらされるものが多くなります。気温が高いということは、細菌が増えるスピードが速くなること。まず守りたいのは、手を洗う、細菌を増やさない、細菌をやっつける、という三原則。手についた細菌を洗い落として広げない。食材や料理を気温の高い場所に長時間放置して増やさない。加熱して死滅する菌は、十分に加熱した状態で食べることが大切です。

黄色ブドウ球菌は人間の皮膚や鼻、口にいる常在菌です。ですがこの菌の毒素は強力で、加熱しても死にません。きちんと手を洗わずに、朝、おにぎりやサンドイッチなどを作ってしまうと、ランチタイムには大増殖。十分に手洗いすることで防げますから、お弁当作りには気をつけたいものです。

腸管出血性大腸菌(O-157やO-111)は、牛の腸管などに生息していて、加熱不足の肉や、よく洗っていない野菜が原因となります。カンピロバクターは多くは鶏肉、サルモネラ菌は卵、肉、魚に潜んでいます。これらは熱に弱いので、しっかり加熱することで防ぐことができます。

用心したいのが、加熱しても死滅しない菌です。カレーなどの煮込み料理の常温放置で増えるのがウェルシュ菌。チャーハンやパスタなどの米、小麦料理にはセレウス菌が繁殖する危険性があります。作った料理はすぐに食べ、保存する場合は熱が冷めたらすぐに冷蔵庫に入れるのが菌を増やさないポイントとなります。

冷蔵庫に入れても増えるのがリステリア菌です。4℃以下でも増えるため、加熱せずにそのまま食べる食品に注意してください。加熱殺菌していないナチュラルチーズ、肉や魚のパテ、スモークサーモン、生ハムなどに用心を。特に妊婦は妊娠中に感染すると、赤ちゃんにも影響が出ると言いますから、早めに食べ切るようにしましょう。

夏に行うバーベキューでも注意が必要です。食材は保冷ボックスに入れ、10℃以下を保つ。生肉を触ったら手を洗う。トングは、生肉用と取り分け用を分ける。肉や内臓の生食はしない。これらを守って楽しい時間を過ごしたいものです。

食中毒の症状は30分から1〜2日後、あるいは1週間後など、菌によって違います。症状が出たら、病院へ行くことをためらわないでください。無駄に体調を崩さないためにも注意していきましょう。

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