Writingsコラム

的確に価値を伝えるには(1)

転職のご相談に応じていると、しばしば勉強熱心な方がいらっしゃいます。しかし中には、多くの知識を取り入れても、それを仕事に活かせていないという方もいるようです。
何らかの方法論や分析手法、新たな表現方法等を学んでも、それを自分のものとして仕事に役立つ形で使えていないのには、勉強の目標設定や計画立案以外にも原因があります。その一つとして挙げられるのは、伝え方への理解が不十分で、的確に伝えることができていないというものです。

例えば、デザインの分野では、門外漢には皆目分からないような、デザイナー同士の共通認識や専門用語があります。また、デザインにもトレンドがあります。相手がデザイナーの場合など、それらを分かっている人には伝わることが、知識や経験の乏しい相手には全く伝わらないということがしばしば起きるのです。
同様に、デザインの専門家であるデザイナーの基準で優れていると感じる点や良くないと感じる点と、ごく一般的な消費者が感じるそれとは少なからずギャップがあるでしょう。
そこで必要になるのが論理性です。例えば、製品をリニューアルするプロジェクトにおいて、なぜ自分が考案した新しいデザインに変えるべきなのか、なぜそのデザインには価値があるのか、ユーザーから共感を得られると考える根拠を、まずはデザイナー自身が論理的に理解できていないといけないでしょう。
そして、社内でその企画への賛同を得るためにプレゼンを行い、新たなデザインで何が解決できるのかを示し、その根拠を論理的に分かりやすく説明できなければなりません。(次回につづく)

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