Writingsコラム

長時間働くこと(4)

非効率な長時間労働が改善されないと、競争力のある製品・サービスが生まれにくくなり、また、離職が増えて人材の採用も難しくなるでしょう。

働き方改革を「残業をいかに減らすか」「限られた人数で仕事をどうまわすか」という労働投入の側面のみで捉えるのではなく、社内外でのイメージ形成にも留意することが肝要です。労働力人口の減少に伴い優秀な人材の確保は年々難しくなり、採用費用の増加も不可避でしょうから、「働きやすい会社」や「顧客志向で価値創造のできる企業」だと認知されることはプラスだからです。ただし、そのイメージは実態を反映していなければなりません。

個人にとっては、働く上での主体性や労働環境への問題意識が欠かせません。以前のコラムで取り上げたリンダ・グラットン他著『ライフ・シフト』で詳しく説かれていますが、長寿になればなおのことです。自らの志向性を認識しながら能力を磨き、多様な経験を積み、活き活きと働ける場を積極的に求める姿勢が必須になるでしょう。

ところで、仕事が楽しくて夢中になると時間が経つのを忘れるものです。独立起業した場合など、それこそ昼夜を問わず考え続ける状態になったりします。また、突破口を開くような独創的なアイディアが入浴中や運動中にひらめくこともあります。

無駄な残業は減らすべきですが、長時間労働が一概に悪いわけではありません。要はその労働の質や働き方への意識、制度のあり方が問われており、現在は過渡期なのだと思います。ただ、結局はどこでどのように働くかは個人の選択次第で、いつの時代においても人それぞれです。日々軽やかに過ごし、充実した社会生活と個人生活を送っていきたいです。

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