Writingsコラム

しなやかな強さ(2)

失敗を引きずって落ち込みが深まると、仕事が手に付かなくなります。周囲の声も耳に入らなくなってきて「なぜだろう、どうしてだろう、しんどい」と一人で堂々巡りしてしまう…。悶々と煮詰まってきたら、一呼吸置き、小さな行動で構わないので変化を付けてみると良いです。

自らのレジリエンスを発揮するためのコツは、一旦、考えるのを止めて動いてみること。例えば、デスクの書類を片付ける、PC内のファイルを整理する、一駅分歩いて帰ってみる、家では洗濯物をしまったりタンスの服をたたみ直す、映画やドラマを最後まで見てみるなど、完結し易い行動を起こし達成感を積みます。

無心になって単純な動作を繰り返すのがポイントで、そうこうしている内に冷静さが戻り、不思議と徐々に人恋しくなってきたら出口が近いです。打開のきっかけは、他者との関わり合いやコミュニケーションにあるからです。

ところで、大失敗をするタイミングというのは慣れた頃が多いようです。仕事に限らず何事も慣れるとルーティーンになり、慢心があると小さなミスを見落とし、ある日大きな事故を引き起こしてしまいます。「もうかなり慣れてきた、自分はできる!」と思ったら「いやいや、油断は禁物だ」と自戒する。その慎重な思考パターンが取り返しのつかない失敗を未然に防ぎます。

気を付けていたつもりでも仕事で失敗やミスをしてしまったら、上記のようなシンプルな方法も取り入れ落ち込みから回復し、事態を直視して誤りを認識しましょう。その上で周囲とコミュニケーションをはかり、頭を下げて協力を得、具体的な対処法を探ります。反省して真摯に取り組めば、その気持ちや行動は周囲に伝わりますし、いずれ必ず打開できるはずです。

同じ失敗を繰り返さぬよう丁寧に取り組み、達成感を重ねることが成長に繋がります。たまに落ち込んでも、それを糧にしなやかな強さを身に付け、活き活きと働いていきたいですね。

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