Writingsコラム

本質を理解するためのフレームワーク(1)

先行き不透明な現代、企業経営や事業の運営を指南する方法論やビジネスに有用な分析手法等はこれまでに数多く登場し、その時々で「いまこれが役に立つ!」と声高に提唱されてきました。

そこには社会経済状況を反映したトレンドがあり、知っているのが常識という位置付けになったものがある一方、以前ほど聞かなくなったものも少なからずあります。

例えば、「イノベーションのジレンマ」や「ブルーオーシャン戦略」などは、もはや定石とされている方法論を説いています。それらの諸理論と併記するのは適当ではありませんが、分析手法としては「テキスト・マイニング」や「データ・アナリティクス」といった言葉を数年前にはよく目にしました。

また、「◯◯マネジメント」「◯◯ストラテジー」「◯◯マーケティング」「◯◯ドリブン」のような用語もたくさんありますし、「デザイン・シンキング」もビジネスやデザイン関連の雑誌、書籍、Web、新聞紙上で見かけるようになりました。

それらの出所が学問研究の場であれビジネスの現場であれ、最新の研究成果や知見、新しいテクノロジー等に基づく方法論や分析手法は、大変有用なツールになり得ます。

しかし実際のところ、それらをどのように経営や組織改革、製品・サービスの開発プロジェクト等に取り入れるのか、その導入の仕方や自社の事業への応用が課題だということもいわれています。

例えば、ある調査結果によると、データ・アナリティクスが必要だと認識し、何らかの形で取り組んでいる企業や、取り組む意向を持っている企業の多くが、「分析できる人材が不足している」「組織の体制が整っていない(どう組織化したら良いのか分からない)」「評価指標の設定が難しい」等の理由で「効果があまり感じられない」と回答しているとのことです。(次回につづく)

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