Writingsコラム

転職活動における「経験」の意味(3)

外部環境の変化やテクノロジーの進化は早まるばかりです。企業はビジネスモデルを柔軟に適応する必要があり、それに付随して人的資源管理の方向性や求人のニーズも変わっていきます。

また、様々な業種業態で「イノベーションのジレンマ」が内在し、業界に強い影響力をもつビッグプレイヤーとなる企業も移り変わります。

一般的に、勢いのある企業は採用意欲も旺盛です。片や成熟し、衰退の予兆のある企業では、採用に充てるリソースも最盛期に比べて減る傾向にあるかもしれません。

ただでさえ労働力人口が減りつつある現状は決して楽観できず、どの企業にとっても人材の採用と育成は極めて重要です。新卒入社であれ中途入社であれ、優秀な人材に活躍できる機会と環境を提供できる企業が、中長期的に生き残って行けるのでしょう。働き方改革の本質もそこにあると考えられます。

とは言っても、転職活動に際して転職希望者が、新卒入社が適わなかった企業への応募を躊躇するのは心情的にも当然です。しかし前回も述べたように、新卒入社は適わなかった人材が、他社で有意義な期間を過ごし十分に経験を積んだことで、すぐに活躍できる実力を有しているのなら、その企業にとっては即戦力として中途で採りたいリーダー候補になり得るのです。

繰り返し申し上げて来ましたが、転職では「これまで何をしてきたか、そしてこれから何ができるのか」が問われます。さらに、企業が選考を通じて注視するのは「入社後、自分自身を新たな環境に合わせて変える覚悟があるかどうか」「期待されている役割を担える能力があるかどうか」です。

なぜなら、冒頭で申し上げた通り、近年、企業自体に同様の姿勢が求められているからです。そのため新卒時の可否は過去の一つの結果であって、中途採用時の判断基準にはならないのです。

3回に分けて中途採用における「経験」について考えてみました。今後も当社は求人企業が置かれている状況と中途採用の目的を正確に理解した上で、転職希望者の経歴の棚卸しをお手伝いし、新天地で確実に活躍するための転職活動をサポートして参ります。

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