Writingsコラム

根強い人気を誇る固形石鹸

人類史上、ここまで手洗いが徹底された時期も珍しいのではないかと思える昨今。手洗い用として、液体ハンドソープばかりが脚光を浴びていますが、実は昔ながらの固形石鹸は、根強い人気があるのです。

まずは1928年から100年近く続いているブランド、牛乳石鹸の赤箱と青箱です。長い歴史を持つ石鹸ですが、ここ数年、何度目かの注目を集めています。赤箱はローズ系の香りで、しっとりした洗い上がり。青箱はジャスミンの香りでさっぱり。以前は体を洗う目的で使われていましたが、近年のブームは洗顔石鹸として。特に赤箱のしっとり感が人気で、1個100円以下というリーズナブルな価格も相まって、快進撃が続いています。

体用にはシャボン玉石鹸や、ミヨシ石鹸の無添加白い石鹸に代表されるような、石鹸成分が98%以上の純石鹸が人気です。小さな子供や、肌のバリア機能が低下した乾燥肌の大人、家族全員が安心して使うには、添加成分を抑えた純石鹸が支持されているのも納得です。

顔以外、背中やお尻など、体のパーツごとに成分構成を変えた石鹸作りが得意なのは、ペリカン石鹸。背中でできたニキビ対策としての薬用石鹸For Backや、お尻専用でピーチ型の恋するおしりヒップケアソープ、二の腕を洗う重曹石鹸など、ユニークな視点でニーズを捉えた商品が展開されています。

扱いに便利な液体ソープではなく、あえて石鹸を選ぶのは、肌の悩みを抱えている、環境や健康を考えたから、できるだけシンプルに暮らしたい、などの理由から。液体状のボディソープが日本で販売されたのは1972年(※)ですが、石鹸は紀元前3,000年頃に生まれたといわれています。今の流行など、石鹸の長い歴史の中では、ほんの一瞬のことなのでしょうね。

※日本洗剤工業会Webサイトより。

アーカイブ

ページ上部へ戻る