Writingsコラム

青森県人の愛する工藤パン

全国名字ランキングでトップ3は、佐藤、鈴木、高橋ですが、青森県は違います。1位は工藤。そんな青森で最もメジャーな名字を持つ、工藤半右衛門さんが、昭和7(1932)年、青森県むつ市赤川駅前にパン屋を開きました。その名も「工藤パン」。戦後、事業は拡大し、青森市に移転して工場を構えた工藤パンは、「人も喜ぶ、我も喜ぶ」をモットーに、地域の人に愛されるパン作りで、今では青森県民で知らぬ人などないパンメーカーとなっています。

工藤パンのロングセラー商品はイギリストースト。2枚の食パンの間にグラニュー糖とマーガリンを合わせたスプレッドを塗ったものです。ちなみに、トーストされてはおらず、フワフワです。青森のスーパー、コンビニ、百貨店には必ず置いてある商品で、青森のソウルフードと呼ばれています。

イギリストーストには、数々のバリエーションが展開されており、それらもユニークであると評判です。青森リンゴを使った季節限定物や、初音ミクとのコラボ、地元ラジオ局とのタイアップ商品など、驚くほど種類が豊富。かつてはカスタード味のイギリスフレンチトースト、さらにトマトとチーズ味が加わったイギリスフレンチトースト(ピザ風)などが発売されており、味はもちろん、イギリスなのかフランスなのかというネーミングを含めて気になります。

さらに工藤パンには、フレッシュランチというヤマザキのランチパックにそっくりなシリーズがあり、そこでもイギリストースト味があります。フレッシュランチは全般的にランチパックとほぼ同じ味わいで、青森ではフレッシュランチの方がメジャーだそうです。なんでも工藤パンはヤマザキと業務提携し、受託生産をしている関係から生まれたようです。

青森といえば工藤パン。青森出身の方と会話する機会があれば、工藤パンにまつわる思い出や好きなパンなど、聞いてみてはいかがでしょうか?

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