Writingsコラム

手書きノートの効用

学生時代はノートに手書きするのが基本でしたが、社会人になってノートを使わなくなってしまった人は多いのではないでしょうか。ノートは勉強に使うだけなんて、思い込んでいませんか? 勉強から少し離れた使い方をご紹介します。

紙に筆記用具を使って文字やイラストを書くということは、案外複雑な動作です。キーボード入力や画面をタッチする動作よりも、紙や筆記具に触れる感触や、手を動かす方が脳に直接的な刺激を与えてくれるため、新しいアイディアが生まれやすいと言われています。

用件が済んだら捨ててしまうメモとは違い、ノートに書くことは、後に見返すことが可能になります。書いた文字の大きさや濃淡なども、自分の感情や関心の高さを示す材料となってくれます。

ノートは目標達成に役立ちます。現在、MLBのロサンゼルス・エンゼルスで活躍している大谷翔平選手は、高校時代にノートを活用していました。ノートの中央に「8球団からドラフト1位を獲得する」という最終目標を設定し、これを実現していく手段を確立するために、周囲に細かく実現のための手段を書き込んでいきました。仏教画の曼陀羅(まんだら)に似ていることから「マンダラノート」と呼ばれています。

問題点の洗い出しと改善を目指すためにノートを使う方法もあります。その際、見開きのノートを二分割して、左に問題点、右にあるべき姿を書き出し、間のスペースに改善していく手段を考えていきます。書く場所にとらわれず、思いつきを順次書き出していくのがポイントです。一枚の図を俯瞰して見ていくと、思考が整理され、問題の軸が見えてきます。問題を細分化して解決を探るという手法で、「マンダラノート」に共通するものがあるかもしれません。

会議のときに使ってみたいのが、トピックスの下に関連項目をどんどん連ねて、書き込んでいくピラミッド型メモです。これも思考整理につながる手法で、話題が盛り上がらなかった、話者が準備不足だった場合は、その分、空白が多くなりますから、問題の洗い出しにも適しているようです。

ノートはさほど高価なものではありません。文具売り場をのぞいてみると、素敵なデザインのノートもたくさん置いてありますから、試してみてはいかがでしょうか。

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