Writingsコラム

手軽な瞑想で心を整える

アップルやグーグルなどの大企業ではマインドフルネス(瞑想)が社員研修に取り入れられています。日本では瞑想というと少々怪しい印象になりますが、マインドフルネスは1970年代にアメリカの医学博士ジョン・カバットジンが慢性的な痛みやストレス軽減法を開発したのが始まりです。科学的根拠に基づいた治療法であり、アメリカではビジネスパーソンを中心に、体のみならず、心への対処法として活用されています。

もともと瞑想は、仏教で取り入れられてきた精神を落ち着かせる方法です。日本では禅宗における座禅が代表的。あぐらよりも難しい結跏趺坐(けっかふざ)という座り方と、響策(きょうさく)での叩きが少し怖いということで、ハードルが高い印象もありますが、一度体験してみると、姿勢が整い、気持ちもスッキリすると好評のようです。

座禅に取り組まなくても、手軽な瞑想法はたくさんあります。最も簡単なのは、呼吸を整えるだけというもの。なるべくリラックスできる空間で、目を閉じ、深く息を吸い込み、ゆっくり吐き出すという深呼吸を10回ほど繰り返すだけで、気持ちが整い始めます。あとは、過去や未来に思い煩わせることなく、「現在の自分」を意識しながら深呼吸を繰り返します。他人と比べることなく、「今、ここにいる自分」に注視することが瞑想のポイントです。

今の自分を意識するために、呼吸する自分の体に注意を向けるという「ボディースキャン」という方法があります。散歩しながら呼吸を整えていくという「歩行瞑想法」などもあり、想像以上に手軽に取り入れられることができます。

瞑想は、ストレスの軽減、緊張の緩和などの精神面、集中力や記憶力のアップなどの脳機能面、双方の効果が、医学・科学の研究者によって検証されています。スポーツ分野では、アスリートの技術と精神面の向上に役立てられています。あまり難しく考えず、1日10分程度の瞑想タイムを設けて、心を整える習慣を持ってみてはいかがでしょうか。

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