Writingsコラム

カフェイン摂取は、ほどほどに

集中したいときや、やる気が出ないとき、コーヒーやエナジードリンクを飲むという習慣がある人は多いと思います。これらの飲料に入ったカフェインが、集中力を高めてくれたり、眠気を払ってくれるのですが、その効果に頼りすぎると依存症になってしまう危険性があります。では、どの程度が適正な量なのでしょう?

世界保健機構(WHO)は妊婦のカフェイン摂取量を、コーヒーであればマグカップで3〜4杯程度までにすべきとしています。妊婦に限定されているのは、カフェインを一定以上摂取した際、胎児が低体重なり、将来的な健康リスクがあるという研究結果が出ているためです。一方、成人が一定以上カフェインを摂取した場合の健康への悪影響はまだわからず、今後の研究が待たれます。

英国食品基準庁(FSA)では、2008年に妊婦に対してより明確な1日マグカップ2杯程度(200mg)という助言を公表しました。カナダ保健省(HC)では2010年、さらに踏み込み、健康な成人は最大400mg(237ml入りマグカップ約3杯)、妊婦は200mg(マグカップ2杯)としています。

カフェインを過剰に摂取すると、心拍数の増加、手足の震え、不眠、下痢、吐き気などが起こります。過剰摂取で救急搬送されるほどの重症者は、エナジードリンクの覚醒作用が癖になり、もっと高濃度のカフェインを欲しいと、カフェイン錠剤を飲むようになって量が激増したため、致死量近くに達したようです。ちなみに体調急変レベルのカフェイン量は3gでコーヒー25杯分となります。

長期にわたってカフェインを取る習慣を、急に減らそうとすると、不眠や頭痛、倦怠感を覚えるようになります。カフェインを摂取すると症状がおさまるので、カフェインから離れられない状態となります。健康診断などで飲食を禁止された際に、激しい頭痛を覚え、そこでカフェイン摂取量が多すぎると気づく人もいるようです。ある日突然、ベッドから起き上がれなくなり、日常生活に多大な支障をきたしたという例もあります。

ここまで依存しないためには、日頃から適正量を楽しむ程度にしておきたいものです。自分が飲んでいる量が明らかに多いと感じたら、カフェインを抜いたディカフェなどを活用し、徐々に量を減らしていくことをお勧めします。

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