Writingsコラム

注意力を養う!

いい仕事をしていても、うっかりミスや見落としがあると、評価が一気に下がってしまいます。人間ですからミスは出てくるものですが、重要な場面でのうっかりは、甚大な被害や損害を引き起こします。そんなことにならないよう、日頃から見落としを発見する注意力を養っていく必要があります。

認知科学の分野では「人は世界をそのまま見ているようで見ていない」ことが明らかになってきました。同じ動画を見ていても、出演している人物に注目したり、服が気になったり、背景に注目したりと、人によってさまざまです。結果、画像全体の構成がわからない、撮影場所は推察できても、どんな服を着ていたのか覚えていないということが生じます。このように同一のものを見ていても、注意を向ける対象が違えば、見えること、見えていないことが変わっていきます。つまり、人間の目は見たいものしか見ていないのです。

このような特性があることを理解した上で、注意力を養っていくには、漫然と見るという習慣を切り替えなければなりません。そのためには視野を広く持ち、観察するように細部を把握していくトレーニングが効果的です。観察しようという機会を設定し、その対象をスケッチ、メモすることが、観察眼を養う練習となります。その際、ただ眺めるだけではなく、批判的視点も考察すると、より思考が深まります。

注意力は集中することで高まります。そのためには、集中力を阻害する要素を排除しなければなりません。頻繁にスマホをチェックする、疲労など体力的な問題を抱えている、人間関係などの悩みがある等々、これらは集中力を削ぐ大きな要素です。悩みは簡単に解消できないかもしれませんが、スマホの電源を切る、休息をとる等は比較的簡単に実現できますから、取り掛かりやすいところから始めてみましょう。

車の運転のように、習熟することで余裕が生まれ、その分、細かな部分に注意を向けることができることもあります。そのためにチェックリストを作って点検の手間を省く、やるべき手順をまとめたTO DOリストで行動の手筈を整えるなどで、仕事の道筋をつけることも大切です。

チェックは一人でやるよりも、二人で行った方がミスを発見しやすくなります。しかし同じような視点でチェックしていては見逃してしまいます。相手がやるからいいか、という油断もミスを見逃す要因です。ダブルチェックが機能するためには、注意の方向性を変えた人物二人が行うべきなのです。

夏の暑さなどで、気力が失われがちな季節です。鈍った注意力で仕事に取り組むことがないように、体力、メンタルを十分リフレッシュしていきましょう。

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