Writingsコラム

泡で洗おう

手や顔を洗うとき、よく泡立てた泡で洗うことが推奨されています。経験的に泡は汚れを落としてくれるとわかっていますが、どういう泡で洗うべきかよくわからないかもしれません。知っているようで知らない泡について、少し探ってみましょう。

泡を作り出す石鹸や洗剤は、水と油を混ぜ合わせる界面活性作用で汚れを落としますが、泡には汚れを吸い出だし、引き剥がし、包み込んで洗い流しやすい形にする力があります。手や顔を泡で洗った方がいい理由は、泡は空気を含んでいるので皮膚同士がこすり合わされることで生じる摩擦を減らし、刺激を少なくしてくれるという効果があるからです。

特に、皮膚が薄く、デリケートな顔を洗うときは、きめ細かく高密度の泡であれば、肌への負担は小さくなります。泡の粒子は小さい方が、シワなどの細かい部分へ入り込むことができます。また細かい泡は、脂分をしっかり吸着する性質があるという研究結果も出ています。

髪の毛を洗うときにも泡は重要ですが、わざわざ細かく泡立てる必要はありません。手のひらにシャンプーを広げて髪全体になじませ、優しく指で洗えば、髪同士の摩擦で泡が出ます。泡が出やすいように、シャンプー前に十分に髪をぬるま湯で湿らせましょう。泡立ちが悪いほど汚れがひどい場合は、一度洗い流した後、改めてシャンプーをつければ泡が出てくるはずです。

ちなみに洗濯物に関しては少々事情が違ってきます。布の繊維は複雑で、汚れはしっかりと絡み付いています。繊維に絡み付いた汚れは、泡だけでは汚れを浮かすことができません。ガンコな汚れを引き剥がす洗剤の洗浄力が問われることになります。とはいえ、汚れを流しやすくするために、ある程度の泡は必要です。

実は、食器洗い洗剤も泡立てて使うようにと書かれています。わざわざ泡立てなくても汚れは落ちますが、汚れの落ちやすさや、使用する洗剤量と洗い流す水の量を減らすということを考えると、泡立てて洗いたいものです。

泡を洗い流すときは、肌に負担の少ないぬるま湯で。32℃くらいが適温だと言われています。洗濯のすすぎの水温は40℃が最適であるようですが、日本の水道水はミネラル分の少ない軟水なので、常温でも大丈夫なのだとか。いずれにしても、肌や環境に負担をかけないように、泡を有効活用して洗っていきたいものです。

アーカイブ

ページ上部へ戻る