Writingsコラム

食いしばりを防ぐ!

肩が凝る、頭痛がする、どうも体の調子がよくないのだけれど、何が原因かわからない。そんな時は、食いしばりを疑ってみてもいいかもしれません。歯を食いしばって起こる不調と弊害について、少し知っておきましょう。

人間は、最大で自分の体重と同程度に噛む力があると言われます。食事の時に使う力は20〜30%くらいですが、スポーツなどで踏ん張る時は、奥歯にかかる力は最大100kgにも及ぶとか。そのせいで奥歯がボロボロになったというスポーツ選手の話も耳にしたことがあるでしょう。歯をぐっと噛み締めることで、大きな力を発揮することはできるのですが、歯の健康にはよくありません。ラグビーやウエイトリフティングなどのパワースポーツでは、歯を保護するマウスピースが用いられています。

常に噛み締めている姿は不自然で、食事等で上下の歯が接触している時間は1日20分程度というのが本来の姿だそうです。歯を食いしばれば力は出ますが、その分だけ、歯にかかる負担は増加します。歯が欠ける、しみる等の歯の損傷に始まり、顎関節症や開口障害、顔面痛にもつながります。さらに肩こり、頭痛、腰痛、めまいや吐き気などの不調から、うつ病に至ることもあるようです。

食いしばりは、起きている間であれば、やめようという意思の力で止めることができます。細かい作業や強いストレスは食いしばりを誘発します。休憩を挟む、飲み物を飲む、立ち上がって歩いてみるなど、自分がリラックスできる習慣を見つけていきましょう。頬杖をつく習慣も顎に負担をかけるので、直した方がいいでしょう。

厄介なのが夜間の食いしばりです。これは意識していない行動であるため、マウスピースで矯正しなければなりません。歯科医に相談して、専用のものを作ってもらう必要があります。

食いしばりは顎や顔だけではなく、全身の緊張を高めます。全身を緩めるストレッチ運動、顎のマッサージ、口の開閉運動を意識的に行うことが予防につながります。こうした習慣を取り入れても不調が改善しない場合は、歯科医等の医療機関に相談してみてください。

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