Writingsコラム

腸の調子を整えよう

気温が低下し、空気の乾燥する冬は、新型コロナウィルスだけではなく、インフルエンザ、ノロウィルスなどの感染症が流行しやすくなります。手洗いうがいの他に、腸内環境を整えると、免疫力が上がり、感染症対策の一つとなるのだとか。腸について、少し探ってみましょう。

腸には3つの役割があります。第一に口から食べた物を消化し、栄養を吸収する。第二に水分を吸収し、排泄する。第三の役割が、食べ物と一緒に入ってくるウィルスや細菌から体を守ること。腸の内側は腸液という粘りのある液体で覆われています。この粘液が外敵から体を防御する役割を果たしてくれるのです。なんと腸には免疫に関する細胞の6割が集まっていて、このことから腸は人体最大の免疫器官と呼ばれています。

腸内細菌は100兆個もおり、腸内フローラという集団菌を形成しています。この腸内細菌が、体全体の健康を守る大切な存在。理想的な腸内には、善玉菌(有用菌)が2割、悪玉菌(有害菌)が1割、優勢な方に味方する日和見菌が7割いればいいとされています。悪玉菌が善玉菌以上に増えてしまうと、日和見菌は優勢な方に味方するので、腸内環境は一気に悪化することになります。

果物や大麦、海藻類などの水溶性食物繊維は、善玉菌のエサとなってくれるので、善玉菌を増やしてくれます。キノコや豆類など不溶性食物繊維は便のかさを増やして排出しやすくしてくれます。排出がうまくいかないと、便秘や下痢となり、肌に吹き出物が出たり、体力が低下するなどの不調を招いてしまいます。

善玉菌はヨーグルトや味噌、キムチなどの発酵食品から直接摂取することもできます。こうした良い働きをしてくれる食品のことをプロバイオテクスと言います。ヨーグルトなどの商品名に盛り込まれていたりするので、目にすることも多いでしょう。

冷えは腸の活動を鈍くするため、温めることも大切です。起床してすぐ、温かい飲み物を飲むといいのですが、おすすめは朝食に食物繊維たっぷりの味噌汁を飲むことです。朝に食物を摂ることで、胃・結腸反射が起こり、その作用で排便が促されます。毎朝習慣的に規則的に排便することも腸内環境整備のためには大切なことです。ストレッチや軽い運動で体温を上げることも腸を温めることにつながります。カイロや湯たんぽで外側から温めるのは、即座に腸を温めることにはつながりませんが、自律神経のバランスを整え、結果的に体温を上げてくれるという効果があります。

腸が健康であれば、必然的に体も健康になっていきます。善玉菌がたくさんいる良い腸になるように、食事と生活を整えていく「腸活」を取り入れていきましょう。

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