Writingsコラム

想像してたのと違う…リアリティショック

映画やドラマ、ゲームの世界などであれば、自分の予測を裏切られることは、楽しみの範囲に収まるかもしれません。けれども仕事や家庭など、現実世界で予想していたことと違う世界を見せつけられると、大きなショックを受けることでしょう。それをリアリティショックと言い、理想と現実の差が大きければ大きいほど、不安を抱いたり、モチベーションが低下したりします。そんなリアリティショックについて、少し考えてみましょう。

リアリティショックは、新入社員に多いと言われていますが、転職や昇進、育児休暇復帰時にも起こります。学生から社会人へ、管理職になって部下の指導をすることになる、子供がいない時とは違う働き方になるなど、以前とは異なる環境に身を置くことで、従来の自分が果たしていた役割と違ったものを求められることが原因のようです。職業では、看護・介護分野で多いとか。学んだ知識と現場の差に衝撃を受け、ギャップを埋められない人の離職率が高くなっています。

リアリティショックが解消されないままでは、仕事への意欲が低下し、離職につながってしまいます。対策として、入社前に研修を行う、インターンシップで仕事内容を体験するといったことが行われています。受け入れる側が、新しく入る人材がどういう人物なのか、あらかじめ知っておくことも必要です。仕事内容や職場イメージを把握してもらうため、先輩の話を聞くという機会が設けられることもあります。

このように周囲の協力は必要ですが、一方、ショックを抱いた人自身も能動的に対処していくことが求められます。教えられていないことをやれと言われた時、自分からやり方を聞くなど、物事を前向きに捉え、乗り越えようと行動することが必要です。教える側が不親切だと感じた時は、メモを取って分析してみるのもいいでしょう。もしかしたら「知っているはず」と思われていただけかもしれません。想像よりも労働条件が悪かった場合は、確認や改善を求めたいものです。対処のコツは、自分だけで溜め込まないこと。自分が何に悩み、問題を抱えているのかを周囲に知ってもらいましょう。

新しく参加した人が抱いたギャップから、学べるものを学び、改善していける組織であれば、成長が見込めます。管理職がリアリティショックに気づいた場合は、向き合い方や対処方法を教えてあげたいものです。先輩が話を聞くことで人間関係が構築され、コミュニケーションがスムーズになるという事例もあります。話ができるという環境作りが、リアリティショック解消の第一歩なのかもしれません。

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