Writingsコラム

疲労、たまってませんか?

なんだか毎日疲れている、疲れが取れない等々。毎年、夏の終盤になると、だるさや疲れを感じます。そのうち解消するだろうと、何もしないことも多いものですが、疲れは早めに取れた方がいいはず。夏の疲れの原因と解消法をご紹介します。

夏の暑さは、どうしても睡眠の質を悪くします。睡眠で大切なのは、時間ではなく、熟睡できたかどうか。深い眠りは日中の疲労を解消してくれますが、浅い眠りは食欲減退や昼間も眠さを感じるなど、疲労回復の役に立ってくれません。睡眠不足は判断力を低下させ、倦怠感を覚えさせますが、反対に怒りを抑制できないなどの症状も引き起こします。

エアコンの効いた室内と、外気温の差は自律神経を乱します。自律神経は、興奮した時に働く交感神経と、心身を休ませる副交感神経が適切に働くように調整してくれる神経系です。夏、室内外を頻繁に行き来することで生じる温度変化は相当なもので、生きていくために適切な体温調節を司る自律神経を、必要以上に酷使する行為です。疲労を解消する眠りは、副交感神経が優位になることでもたらされます。けれども自律神経が疲弊し、乱れてしまっていると、副交感神経の働きが弱くなります。不眠の原因はここにあるのです。

また、紫外線自体も自律神経を疲れさせます。強い紫外線が目から入ると、目の中で炎症反応が起き、危険を感じて交感神経が活発になります。日陰や室内にいても紫外線は浴びることになるので、夏場の交感神経は非常に活発となり、自律神経の疲労はこの面でも蓄積していきます。

では、この自律神経の不調を取り戻すにはどうしたらいいのかというと、体内の血の流れをよくし、老廃物を外に出すことが求められます。入浴は、シャワーで済ますのではなく、湯船に浸かること。ストレッチやヨガなど、軽い運動で汗を流すことも効果があります。元気を出すためと言って、ウナギや焼き肉など、消化に悪いものを無理に食べることよりも、野菜を多くしたバランスの良い食事の方が、疲れが取れやすくなります。心地よい香りも自律神経の不調を緩和してくれます。香り成分は自律神経がある視床下部に直接働きかけるため、ラベンダーなどリラックス効果の高い精油を嗅ぐと、副交感神経がきちんと働き、心身の休息へと誘ってくれます。

おすすめの疲労回復方法は、緑豊かな場所をウォーキングすることでしょう。樹木の清々しい香りを嗅ぎながら、適度に汗を流す。心地よい疲労感は、深い睡眠をもたらしてくれるはずです。寝る前は、交感神経を活発にさせるブルーライトを発するスマートフォンやパソコンの使用は減らした方が賢明です。

夏の暑さは思っていた以上に自律神経を疲れさせています。たまった疲労をうまく解消して、過ごしやすい秋を迎えてください。

アーカイブ

ページ上部へ戻る