Writingsコラム

ストレスコーピングで気持ちを軽く

仕事の企画や進行、成果。職場やプライベートで起こる人間関係等々。生きていく上で、多かれ少なかれストレスを感じざるを得ません。そんなストレスに対し、重圧を感じ過ぎることなく、上手に対処していけるようになるストレスコーピングをご紹介いたします。

コーピング(coping)は、対処する、切り抜けるという意味です。ストレスを感じたときに、うまく対処するのがストレスコーピング。正面から解消に向けて取り組むだけではなく、ストレスを減らしたり、ときには逃げるというのも手段の一つとなります。

ストレスにはいくつかの種類があります。長時間労働や単純作業の連続、病気、暑い寒いといった物理的・科学的・肉体的なもの。不安や悲しみといった心理的なもの。人事評価や異動、離婚や恋愛など社会的・人間関係的なもの。安定から離別などの変化に対して感じるもの。これらがストレスだと感じるまで、まずは脳の中で無意識のうちに選別がなされます。例えば、暑い寒いといったことを、自分と無関係だと脳が判断すれば、それはストレスとなりません。脳が不快な気温だと認知するとストレスとなり、対処できることかどうかを判断します。この脳の認知判断によって、服装やエアコンの温度を調節したり、心地よい場所へ移動するなどの対処(コーピング)が行われます。

不快な気温を他人に訴えることで、自分の気持ちを整理することを情動処理と呼びます。暑すぎる環境を「汗が出て健康にいい」など、とらえ方を変えることを認知的再評価と言います。これらは情動焦点型コーピングと名付けられ、感情にアプローチすることを重視する対処方法になります。考え方を変えることや、好きなことをすることでストレスを打ち消し、気持ちを軽くするといったやり方です。

根本的に問題を解決しようとする行動は、問題焦点型コーピングとなります。ただ、問題があまりに大き過ぎると、対処すること自体がストレスとなり、心身が疲れてしまいます。また、こうすればいいのにと自分でわかっているのに行動しないと、それもストレスになります。問題焦点型コーピングを行っても、解決しないという可能性もあるので、人は情動焦点型コーピングを選びがちです。

ただ、情動焦点型コーピングは、根本的に問題は解消しないため、ストレスと付き合っていかなければならないという欠点があります。うまく気晴らしができていれば、問題が解決しなくても心身の健康は保たれますが、強過ぎるストレスは頭痛や心拍数の上昇などを招き、病の原因ともなる場合もあります。ストレスの正体を直視し、それに対する自分の心身の反応と許容度を客観的に判断していきたいものです。

辛い気持ちを無理にポジティブに捉える必要はありません。ストレスの捉え方は人それぞれ。問題に立ち向かうことばかりが「正解」というわけではありません。好きなものを食べたり、散歩やサウナなど、気晴らしの手段をいくつかを持つことはかなり有効な手段です。逃げたりかわしたりするのも、生きていく上での知恵です。心がポッキリと折れなければ大丈夫。しなやかに対処していきましょう。

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