Writingsコラム

筋膜を固まらせない!

最近よく耳にする筋膜。ここをリリースすれば不調が解消するという話も聞きますが、そもそも筋膜というのは何なのでしょう。そして、何の役に立っているのでしょうか。ぼんやりとイメージしかできない筋膜について探ってみましょう。

まずは筋膜ですが、簡単に言えば「筋肉を包み込んでいる膜」です。しかし体の内側のことなので、私たちの筋肉が膜に包まれているという実感は湧きにくいものです。が、この筋膜というものは割と重要で、筋肉と各種器官、神経組織をつなぐ役割を果たし、全身をボディスーツのように覆っています。そのため筋膜は、第二の骨格とも呼ばれています。

構造は五層で、丈夫なコラーゲンと伸縮性に富んだエラスチンという繊維質でできています。これらのぷるんとした物質が筋肉と連携し合って、滑るように動きます。筋肉の保護と、筋肉が収縮したときの動きのサポート、血管、神経、リンパ管をスムーズに循環させるのが筋膜の役目です。

筋膜には水分がたっぷり含まれており、不足するとドロドロ状態になり、筋肉の滑りが悪くなります。そうなってしまうと、筋膜を通っている血管、神経、リンパ管の循環が鈍くなり、栄養が行き渡らなくなったり、老廃物が詰まりやすくなります。

姿勢の悪さや、長時間同じ姿勢を取り続けることでも、筋膜に不具合が起こります。不自然な姿勢は筋膜をよじれさせ、偏りを招きます。一箇所がよじれると、不定形の筋膜は、連鎖的にいびつな形へと変形していき、望ましくない状態で固まったりします。こうなることで脱水も起こり、より固くなってしまうので、筋膜を元の状態に戻す(リリース)することが求められます。

激しい運動によっても筋膜はよじれたり、柔軟性が失われたりします。ひどい痛みが起きると、それは筋膜炎と呼ばれ、治療が必要となります。腰痛や肩こりが主ですが、マラソンランナーの場合は足裏の痛みなどを訴えるそうです。治療としては、痛い部分への痛み止めの注射が行われます。病院によっては、よじれることで失われた水分を、生理食塩水を注射することで補給し、筋膜をほぐすことも行われているようです。

よじれた筋膜を、ストレッチ体操や器具を使って、伸ばしていく方法は、たくさんの専門家によって開発されていますので、興味のある方は動画等を参考にしてみてください。方法は割と簡単で、時間もさほどかからないものが多いようです。筋膜が整えば、良い姿勢や体調の維持も期待できますから、ちょっとした空き時間に試してみてはいかがでしょうか。

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