Writingsコラム

ペットとしてのウサギについて

2023年は卯年。そのため、ウサギの姿を目にするたび、飼いたいという衝動に駆られたかもしれません。ペットとしてウサギを飼うにはどうすればいいのか、検討前に知っておきたい情報をご紹介します。

ウサギは犬のように散歩の必要がなく、鳴き声もなく、匂いも強くないということで、マンション住まいや一人暮らしでも飼いやすいと言われています。訓練によって猫のようにトイレの場所を覚えてくれるので、清潔さを保てます。生活時間は夕方から朝になりますが、ある程度ならば人間の生活時間帯に合わせてくれるようです。寿命は飼育状況にもよりますが、5〜11年くらいになります。

怖がりで警戒心が強く、最初はなかなか飼い主に心を開いてくれないのがウサギの性質。年に2回、毛が抜け替わる時期が1〜2週間ほどあります。毛を飲み込むと病気になってしまうので、この期間は掃除を入念にしなければいけません。歯は一生伸び続けるので、柔らかいものだけではなく、牧草など、噛みごたえのあるものを与える必要があります。爪も伸びるので、1〜2か月に一度切る必要があります。

極端な暑さや寒さに弱い生き物なので、真夏と真冬はエアコンを稼働し続けることになります。ただ、ウサギの生育環境温度は20〜25℃で、人間が心地よい温度と重なっていますから、一緒に生活しやすいでしょう。湿度にも注意が必要で、30〜70%の適性湿度を保つため、エアコンや加湿器は必須です。

「ウサギは寂しいと死んでしまう」と言われることがありますが、それは間違いです。特にオスはナワバリ意識が強いので、同じケージに入れると流血沙汰になります。メス同士でも相性が合わない場合はケンカになる場合があるので、同性同士でも多頭飼いは要注意。当然ながら飼い主が世話を忘れるとウサギは死んでしまいますから、世話を怠ることへの戒めから生まれた言葉なのかもしれません。

ウサギをオスとメスのつがいで飼う場合、不妊手術をしないと大変なことになります。ウサギには決まった繁殖期はなく、妊娠期間は1か月。1回の出産で4〜8匹の子が生まれます。1回の交尾での妊娠確率は99%。繁殖時期が短く、交尾しても妊娠しにくいパンダのような動物とはまるで違います。そして生まれた子ウサギは、4か月くらいで子供を産めるようになります。この繁殖力の強さが、ウサギが子孫繁栄の象徴として取り上げられる理由です。

日本には「因幡(いなば)の白ウサギ」の伝説があったり、月のクレーターの形をウサギに見立てたり、「ウサギ追いし、かの山」など童謡にも歌われるなど、昔から人々に愛されています。家族として迎え入れる場合は、ウサギの特徴をよく理解し、熟考することを忘れないでください。

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