Writingsコラム

リフレーミングで視点を変えてみる

物事がうまくいかない時、「もうダメだ」という気分に支配されて、一歩も動けないことがあります。そんな気持ちを切り替えるための手段として、リフレーミングという考え方をしてみてはいかがでしょうか。

リフレーミングとは、物事の仕組みや役割(Frame)を組み直す(Re-Frame)こと。ネガティブな視点から、ポジティブなものに切り替えることです。コミュニケーション心理学で使われる言葉で、基本的には物事を多面的に見ていく手法を指します。リフレーミングして旧来の思い込みや固定概念を見直せば、新しい発想に取り組むことも可能になります。

全てを前向きに考えるポジティブシンキングとリフレーミングが違う点は、自分が置かれた立場や状況、自分自身の気持ちや解釈を客観的に捉え直し、見直すといったステップを踏むことです。

例えば交通事故に遭ってしまったとします。ケガの程度や損傷度合いを冷静に分析したり、重大事故になる可能性だってあったと考え直すのが「事象のリフレーミング」。自分を責めてしまったり、逆に一方的に相手が悪いと決めつけるなど、常日頃行いがちがちな思考の癖を見極めるのが「性格のリフレーミング」です。寝坊したせいで焦っていた、よそ見をしていたなど、行ったことを振り返り、改善していくのが「行動のリフレーミング」。この3要素がリフレーミングの核となります。

リフレーミングは自分自身だけではなく、他人にも活用することができます。「あの人は説明が長い」という自分が下した評価も、視点を変えれば「丁寧に説明してくれる人」という面が見えてきます。思い込みを排することで、ギクシャクしていたコミュニケーションが潤滑になっていくという効用もあります。

10年先、20年先はどうなるだろうと、未来からリフレーミングすることで生まれるアイディアがあります。また、不具合を生じている仕組みを、一度バラバラに分解して見つめ直すことで、新しい仕組みが生まれることもあります。これらは新しいことを発想するときの手段としても有効です。

「もしも〜だったら」という、自分以外の人の視点で考えることもリフレーミングです。考えに行き詰まった場合、「どうしたい?」と第三者の視点で質問を投げかけることもリフレーミングの一種で、自分だけで完結するだけではなく、職場の先輩が後輩を指導していくような場合も役に立つでしょう。

失敗しても「もうダメだ」と思い込むことなく、「次のためにいい体験をした」などと視点を捉え直すことで、思考や行動に変化が生まれます。次への一歩となるリフレーミングを取り入れてみてください。

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