Writingsコラム

アロマテラピーで心を整えてみる

年度の切り替えや異動などで、心身が疲れがちな季節です。肉体的には元気なはずだけれども、気持ちが疲れているという場合は、精油 (エッセンシャルオイル)を使ったアロマテラピーを試してみてはいかがでしょうか。

匂いは、論理的思考を司る大脳新皮質を経由するのではなく、大脳辺縁系という本能に直結する部分にダイレクトに届きます。感情に強く働きかけることができるため、疲れた、眠れないなどの、病気とまでは言えない不調を解きほぐすことができるのです。

アロマテラピーは芳香(アロマ)と療法(テラピー)を組み合わせた自然療法です。1928年、フランスの化学者が火傷の治療にラベンダーの精油を塗ってみたら、治りが早かったという体験から研究が進みました。アロマテラピーでは植物の花や葉から抽出した精油を使い、匂いを嗅ぐ芳香浴、お風呂に精油を入れて楽しむアロマバス、植物性のオイルに精油を混ぜて肌をマッサージするなどの方法があります。

使用するのは100%天然素材から抽出された精油で、合成香料を使ったものはアロマテラピーとは呼びません。香りの種類は大雑把に分けて、花から抽出したフローラル系、オレンジやレモンなどの柑橘類の皮から採ったシトラス系、ハーブの花や葉から作られたハーブ系などが代表格。他にヒバやモミなどの森林の樹木、シナモンなどのスパイスの香り、古来から宗教行事に使われてきた乳香(フランキンセンス)や白檀(サンダルウッド)などがあります。

それぞれに効能があり、売り場で表示されています。もっと知りたい場合は、詳しい知識を持つ販売員に聞いたり、専門サイトをいくつかのぞいてみてください。大切にして欲しいポイントは、自分が好きだと思う香りであること。勧められても苦手な香りはストレスになってしまいます。購入する場合は、実際に嗅いで確認した方が安心です。また、妊娠している場合はやめておいた方がいい精油もありますので、確認が必要です。

初心者によくおすすめされる精油はラベンダーです。古代ローマ人は傷口をラベンダー水で洗って消毒していたようです。中世の頃からヨーロッパでは、虫除けや化粧水として使用されていました。効能が幅広く、清涼感がある香りも万人向けで、価格も手頃です。

価格が高めなのが、ローズやネロリ(オレンジの花)、ジャスミンなど、大量の花びらから抽出するもの。樹脂系の乳香や没薬(ミルラ) も採取量が少ないので価格が高くなってしまいます。逆にペパーミントなどのハーブ系や、レモンやオレンジなどの柑橘系は手頃です。昔からオーストラリアの原住民アボリジニに愛用されてきたティートリーも買いやすい価格です。

睡眠やリフレッシュ等、用途に応じてブレンドされたものなどもあり、種類はたくさんあります。専用のディフューザーを使わなくても、ティッシュに2〜3滴含ませて手元に置いておくだけで香りは楽しむことができますから、気軽に試してみてください。

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